シャルダグ (イスラエル空軍)

シャルダグ (Shaldag)

シャルダグは、イスラエル航空宇宙軍第7特殊作戦航空団に所属する特殊部隊で、1976年に設立されました。その名はヘブライ語で「カワセミ」を意味し、特に空軍の任務に特化した部隊として知られています。シャルダグは5101部隊やサイェレット・シャルダグとも呼ばれることがあります。この部隊は、サイェレット・マトカルや第669空挺戦闘捜索救難部隊、海軍のシャイェテット・13と並び、イスラエル軍の4大最精鋭特殊部隊の一つとされています。

歴史

シャルダグの創設は、1973年の第四次中東戦争に基づいています。この戦争において、サイェレット・マトカルは参謀本部からの指示を受けたために、素早い行動が困難だったという教訓がありました。その結果、ムキ・ベッツァーは戦時に迅速に作戦を実行できる部隊の再編を計画しました。

彼は、空軍と地上部隊が効果的に連携する方法を模索し、敵地の対空ミサイルを迅速に無力化できる特殊部隊の必要性を感じました。これに応じて、サイェレット・マトカル内に空挺作戦を実行する部隊が設立され、その後のシャルダグの基礎が築かれました。1976年に正式に発足したシャルダグは、1978年のリタニ作戦でレバノン南部の偵察任務に成功を収めました。

その後、1981年になるとシャルダグはサイェレット・マトカルから独立し、空軍の特殊部隊として、パルマヒム空軍基地に移転します。1982年のレバノン侵攻ではシリア軍の地対空ミサイルサイトを攻撃する作戦にも参加しました。

1990年代に入ると、シャルダグの任務は敵地でのレーザー誘導だけでなく、より広範囲な空挺作戦にも拡大しました。この任務の拡大に伴い、テロとの戦いや人質救出の能力も持つようになりました。相対的に予算も豊富で、最新の機材や武器を使用できるのも大きな特徴です。

2020年7月、シャルダグは新設された第7特殊作戦航空団に編入されました。

訓練

シャルダグの訓練は、イスラエルの他の特殊部隊と比較しても長期間にわたります。通常、20から22ヶ月かかる訓練は、英国の特殊部隊SASを参考にした内容で構成されており、特にナビゲーション技術に重きを置いています。訓練を終えた隊員には、SASの創設者デイヴィッド・スターリングに関する書籍《The Phantom Major》が贈呈されます。

訓練内容の概要

1. 基礎訓練（6ヶ月）
2. パラシュート降下訓練
3. 対テロ戦訓練
4. 全天候・全地形ナビゲーション訓練
5. 地上/空中連携訓練および空挺作戦訓練
6. 情報収集・偵察訓練
7. 医療・狙撃の専門課程

代表的な作戦

• - 1978年 リタニ作戦: レバノン南部での偵察活動。
• - 1982年 ガリラヤの平和作戦: シリア軍地対空ミサイルの制圧作戦への参加。

- 同年の6月10日には、同行していたシャルダグの隊員が重傷を負う事態にも直面しました。

• - 1984年 モーセ作戦: エチオピアからユダヤ人を救出するための航空機着陸地点の安全確保。
• - 1986-87年 第1次インティファーダ: パレスチナエリアにおける情報収集活動。
• - 1991年 ソロモン作戦: 再度の救出ミッションに関与。

このように、シャルダグは迅速な行動と高い専門性を誇り、数々の重要な任務を成功裏に遂行してきました。

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