シャイェテット・13

シャイェテット・13: イスラエル海軍の特殊部隊の概要

シャイェテット・13（Shayetet 13）は、イスラエル海軍の中核を成す特殊部隊であり、数多くの重要な任務を遂行しています。主な活動内容には、対テロ作戦、破壊工作、情報収集、人質救出が含まれます。同部隊の名前「シャイェテット」はヘブライ語で「艦隊」や「船団」を意味し、そのため「第13艦隊」とも訳されます。

歴史と背景

シャイェテット・13は1949年に、ハガナー（イスラエル独立戦争のために設立されたユダヤ人軍組織）の水中破壊工作部門をもとに設立されました。当初はイギリス海兵隊の特殊部隊、SBSの影響を受けながら運用されていました。設立当初は目立った活躍は見られませんでしたが、その後の中東戦争や消耗戦争ではエジプト軍に対して効果的な作戦を展開し、多数の成功を収めました。

1973年にはベイルート特攻作戦に参加し、パレスチナ解放機構（PLO）や黒い九月に対する暗殺作戦を行っています。また、レバノン内戦では、ヒズボラやPLOに対して数多くの特殊作戦を実施し、注目を集めました。2000年代に入ると、ガザ紛争や海外での武器の輸送を阻止するための作戦にも従事し、最新の技術や戦術を取り入れています。

編成

シャイェテット・13は、主に突入中隊、潜水中隊、水上中隊の3つの部隊から構成されています。各中隊にはそれぞれ異なる役割があり、連携して作戦を行います。

- 突入中隊（Raids）: 海や陸からの侵入、テロリストによる人質救出などを担当します。
- 潜水中隊（Underwater）: 水中での偵察、破壊工作、情報収集を行い、上陸地点の制圧にも関与します。
- 水上中隊（Above Water）: 高速ボートを使用して他の中隊を支援し、合同作戦にも参加します。

この3つの中隊は常にサポートをし合い、合同訓練を通じて連携を強化しています。

訓練制度

シャイェテット・13の新しい隊員は、20ヶ月にわたる厳しい訓練を受けなければなりません。このプロセスは次のように構成されています。

1. 選考プロセス: 年に2回行われ、医療チェックをクリアした後、4日間の心理的・肉体的テストを受けます。
2. 基礎訓練課程: 地上軍と合同での基本訓練を6ヶ月行います。
3. 準備フェーズ: 3ヶ月間の専門的な訓練を受け、さまざまな戦術を学びます。
4. 高度戦闘潜水訓練: 最後の訓練として4週間の厳しい水中サバイバル訓練を実施します。

特に選考プロセスは非常に厳しく、多くの応募者がこの段階で脱落します。訓練中は、イスラエル軍独自の格闘技、クラヴ・マガの訓練も含まれています。

装備

シャイェテット・13は高性能な装備を使用しており、小火器としてはAK-47、M4カービン、UZIなどを用いています。また、海上作戦ではリムペットマインや各種高速戦闘艇を駆使して任務を遂行しています。特に、モレナボートやスヌニット高速戦闘艇は、迅速な移動と作戦展開を可能にします。

著名な隊員

創設者のヨハイ・ベン＝ヌンをはじめ、元クネセト議員アミ・アヤロンや、イスラエル電力公社のCEOであるエリヤフ・グリックマンなど、著名な人物がこの部隊から名を知られています。彼らはそれぞれの分野で重要な役割を果たしています。

シャイェテット・13