シャンゼリゼ通り (ツール・ド・フランス)

ツール・ド・フランスとシャンゼリゼ通り：栄光のフィナーレ

ツール・ド・フランスにおけるシャンゼリゼ通りは、1975年以降、最終ゴールの地として、世界中の自転車ファンを魅了してきました。パリの象徴的な大通りを舞台に繰り広げられるドラマは、ツール・ド・フランスの歴史に深く刻まれています。

歴史

ツール・ド・フランスは、1903年の第1回大会からパリ市内をゴールとしてきました。初期はヴィル＝ダヴレー、その後はパルク・デ・プランス、ヴェロドローム・ド・ヴァンセンヌとゴール地点を変遷。そして1975年、スプリンターたちの活躍をより際立たせるため、シャンゼリゼ通りが新たなゴール地点に選ばれました。

三大グランツールの中で、最終ゴールをシャンゼリゼ通りと明確に定めているのはツール・ド・フランスのみです。ジロ・デ・イタリアやブエルタ・ア・エスパーニャも最終ゴールの地はほぼ固定されていますが、ツール・ド・フランスほどではありません。そのため、最終日前日のステージ終了後、選手やスタッフはパリ近郊まで長距離移動を強いられることもあります。2024年大会はパリオリンピック開催の影響で、ニースでの個人タイムトライアルが最終ステージとなります。

コース概要

シャンゼリゼ通りをゴールとする最終ステージは、パリ郊外からスタートします。パリ市内に入るまでは、選手たちは互いを称え合い、リラックスした雰囲気で走行するのが慣例です。しかし、パリ市内に近づくと雰囲気が一変。ペースが上がり、シャンゼリゼ通りとテュイルリー宮殿を往復する周回コースに入ると、集団は平均50km/hのハイペースで疾走します。

コースはほぼ平坦で、逃げ切りは難しく、最後は集団スプリントになることがほとんどです。スプリンターにとって、シャンゼリゼでの勝利は大きな名誉であり、彼らは全力を尽くして勝利を目指します。最後の400mでは、迫力満点のデッドヒートが繰り広げられます。ゴール後、各賞が確定し、ツール・ド・フランスは幕を閉じます。

2012年までは、凱旋門の手前に折り返し点がある1周6.5kmの周回コースを8周するのが通例でしたが、2013年以降は凱旋門を回る6.8kmのコースに変更されました。また、路面状況が悪い場合、1周目のゴールライン通過タイムを最終タイムとする特別ルールも存在します。

シャンゼリゼ通りの出来事

シャンゼリゼ通りでは、数々のドラマが生まれてきました。

1979年: ヨープ・ズートメルクがベルナール・イノーに逆転を挑み、2人でワンツーフィニッシュ（後にズートメルクのドーピング違反が発覚）。
1982年: ベルナール・イノーがアタックを仕掛け、ゴールスプリントを制して総合優勝に華を添える。
1989年: グレッグ・レモンがローラン・フィニョンを逆転し、ツール・ド・フランス史上最小の8秒差で総合優勝。
1991年: ジャモリディネ・アブドヤパロフがゴール直前で転倒し、大規模な落車事故が発生。
2001年: エリック・ツァベルがスチュアート・オグレディを逆転し、6年連続のポイント賞を獲得。
2005年: アレクサンドル・ヴィノクロフが最終周で逃げ切り勝ち。
2009年: 別府史之が敢闘賞を受賞。
2010年: マーク・カヴェンディッシュがシャンゼリゼ4連覇を達成。
2013年: マルセル・キッテルがマーク・カヴェンディッシュの5連覇を阻止。
2016年: アンドレ・グライペルが2連勝。

シャンゼリゼ通り・最終ステージ歴代勝利者

（省略）

関連項目

ポイント賞 (グランツール)
スプリンター (自転車競技)

シャンゼリゼ通りは、ツール・ド・フランスの最終ゴールとして、数々のドラマを生み出してきました。これからも、多くの人々に感動と興奮を与え続けるでしょう。

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