シャンバラ (バンド)

シャンバラ (SHAMBARA) の概要

シャンバラ（SHAMBARA）は、1989年に日本の人気フュージョンバンド・カシオペアのメンバーである櫻井哲夫と神保彰によって結成されたボーカルバンドです。このバンドは、独自の音楽スタイルを追求するためにカシオペアを離れる決断をした背景を持ち、当時の音楽シーンに新たな風を吹き込みました。

メンバー

• - 櫻井哲夫（ベース）
• - 神保彰（ドラムス＆パーカッション）
• - 古川望（ギター）
• - 梁邦彦（キーボード）
• - 国分友里恵（ボーカル）
• - 秋元薫（ボーカル）

活動の背景

1988年、カシオペアは国内外での大規模なライブ活動とアルバム制作を行いましたが、1989年に所属レコード会社と事務所の移籍が重なり、活動休止に入ることとなりました。この期間、櫻井と神保はそれぞれの個人活動を行う合間に、全く異なる音楽性を持つシャンバラを結成し、アルバム『SHAMBARA』をレコーディングしました。このプロジェクトは、当時注目を集めていたMZA有明とのコラボレーションで、大々的な制作がなされました。

『SHAMBARA』のリリースは1989年7月20日ですが、その発売を記念したライブがMZA有明で行われ、多くのファンを熱狂させました。また、ファッションデザイナーの山本寛斎をヴィジュアルプロデューサーとして迎え、目を引く衣装やステージセットを取り入れたことも特徴的です。

内部対立と脱退

しかし、このシャンバラの設立に対し、カシオペアのリーダーである野呂一生と向谷実が異議を唱えました。彼らは、カシオペアの活動再開に支障をもたらすという理由から、櫻井と神保に活動停止を求めましたが、二人は並行しての活動が可能であると主張しました。結局、この意見の対立は解消されず、櫻井と神保は1989年いっぱいでカシオペアを脱退し、シャンバラの活動へと専念することになります。

シャンバラのその後

1990年、櫻井と神保は新たなユニット「ジンサク」を結成しました。このユニットは、シャンバラの活動が夢見たような形を持ったものではありましたが、活動の途中でメンバーの入れ替えを計画するも、最終的には自然消滅することとなります。シャンバラとしての活動はそのまま姿を消していきましたが、カシオペアのメンバーとソロでのライブ活動では日本語ボーカルの楽曲を行っていました。

シティ・ポップとしての再評価

2010年代に入り、日本のシティ・ポップが海外で注目される中で、シャンバラの音楽も再評価されるようになります。特に、国分と秋元のソロ作品が注目され、シャンバラに関わるアーティストたちの音楽が再び聴かれるようになりました。それに伴い、『SHAMBARA』のアルバムは初版から四半世紀の時を経て、再び評価されることになります。

アルバムには全10曲が収録されており、櫻井と神保がそれぞれの楽曲を制作しました。サウンドは当時の流行を反映しており、シティ・ポップの教科書と呼ばれるにふさわしい作品となっています。

アルバムの復刻

シャンバラの曲は、ファンによって非売品として広まった経緯がありましたが、2021年にはジャケットも当時のデザインを踏襲した形で復刻されたことで新たな注目を浴びました。このような復刻作業を通じて、当時の音楽シーンを知る世代や新たに興味を持つ若いリスナーたちにとって、シャンバラの音楽は再び、重要な存在となっていくことでしょう。

結論

シャンバラは、カシオペアからの脱退を経て、独自の音楽性を追求し続けてきました。その活動は直接的には短期間に終わったものの、シティ・ポップの再興の中で再評価され、今もなお色褪せることのない存在感を放っています。

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