シャーマン郡 (オレゴン州)

シャーマン郡の概要

シャーマン郡は、アメリカ合衆国オレゴン州北部に位置する郡です。その名は、南北戦争で活躍した北軍の将軍、ウィリアム・シャーマンにちなんで名付けられました。郡庁所在地はモロ市にあります。

歴史

1889年2月25日、シャーマン郡はワスコ郡の北東部が分離して誕生しました。1891年には郡境が調整され、南に約29km移動したことで、ワスコ郡の一部がシャーマン郡に編入されました。郡庁所在地を巡っては、当初ワスコが指定されたものの、後にモロが争奪戦に勝利し、現在に至ります。

経済

シャーマン郡の経済は、農業が中心です。特に小麦と大麦の生産が盛んですが、牧畜や観光も重要な産業となっています。また、オレゴン州最大の風力発電所であるビッグロー・キャニオン・ウィンド・ファームが存在することも特筆されます。

地理

アメリカ合衆国国勢調査局のデータによれば、シャーマン郡の総面積は2,153平方キロメートルです。そのうち、陸地が2,132平方キロメートル、水面が21平方キロメートルを占めています。郡の西と南はワスコ郡、東はギリアム郡、北はワシントン州のクリッキタト郡と隣接しています。

人口動態

2000年の国勢調査によると、シャーマン郡の人口は1,934人です。世帯数は797世帯で、家族数は同数でした。人口密度は1平方キロメートルあたり1人と、非常に低い数値です。人種構成は、白人が93.59%を占め、その他、アフリカ系アメリカ人、ネイティブアメリカン、アジア系、その他の人種、混血などが少数存在します。ヒスパニック・ラテン系は4.86%でした。

祖先構成を見ると、ドイツ系が20.5%と最も多く、アメリカ系が17.3%、イングランド系が11.7%、アイルランド系が8.7%、ノルウェー系が5.3%となっています。

年齢別に見ると、18歳未満が26.40%、18歳から24歳が5.80%、25歳から44歳が23.40%、45歳から64歳が26.10%、65歳以上が18.30%となっています。年齢の中央値は42歳です。

世帯に関するデータでは、18歳未満の子供がいる世帯が29.90%、結婚・同居している夫婦の世帯が58.50%、未婚・離婚・死別女性が世帯主の世帯が6.50%でした。単身世帯は28.70%で、65歳以上の単身世帯が14.10%を占めます。世帯の平均構成人数は2.43人、家族の平均構成人数は2.97人です。

収入に関するデータでは、世帯収入の中央値は35,142米ドル、家族収入の中央値は42,563米ドルでした。性別で見ると、男性の収入中央値が31,207米ドル、女性が21,579米ドルです。人口1人当たりの収入は17,448米ドルでした。また、貧困線以下の人口は全体で14.60%、家族数では12.30%です。18歳未満では20.20%、65歳以上では7.70%が貧困線以下となっています。

市町村

シャーマン郡には、グラスバレー、モロ、ルーファス、ワスコの4つの市が存在します。

まとめ

シャーマン郡は、その歴史、経済、地理、人口動態において、独自の特色を持っています。農業を中心とした穏やかな生活が営まれる一方で、風力発電などの新しい産業も導入されており、バランスの取れた発展が期待されます。歴史的な郡庁所在地争いが示すように、住民の自治意識も高い地域と言えるでしょう。

もう一度検索