シャーリー (漫画)

シャーリー

『シャーリー』は、森薫による日本の漫画作品。エドワード朝時代のイギリスを舞台に、女主人の家に住み込みで働くことになった少女、シャーリー・メディスンのメイド生活を丁寧に描いています。

概要

作者である森薫が商業誌デビュー前に初めて本格的に描いた作品であり、元々は同人作品として発表されていました。2003年にエンターブレインから単行本が出版され、森薫の商業誌デビュー作『エマ』第2巻と同日に発売。予想を上回る売り上げを記録しました。『エマ』もまた、近代イギリスを舞台としたメイドを主人公とする作品ですが、『シャーリー』よりも時代設定がわずかに遡ります。森薫は『シャーリー』の成功は『エマ』の人気があってこそだと分析しています。

単行本発行から約3年半後の2006年10月には、『コミックビームFellows!』にて「シャーリー・メディスン」のタイトルで新作エピソードが発表され、以降不定期に新作が掲載されています。
商業誌再開後のエピソードを収めた第2巻は、最初の単行本から11年の歳月を経て2014年9月に出版されました。現在、『ハルタ』volume52以降に掲載された話数は単行本未収録となっています。

あらすじ

カフェ「モナ・リザ」を経営する独身女性ベネット・クランリーの元に、13歳の少女シャーリー・メディスンがメイドの職を求めてやってきます。ベネットはその若さに戸惑いますが、シャーリーの事情を察し、料理の腕前、特にティプシーケーキを作れることを理由に住み込みで雇うことを決意します。
物語は、有能なメイドとして働くシャーリーの日常、カフェの常連客と接するベネットの日常、そしてシャーリーがベネットの家族として受け入れられていく様子を描いています。また、上流階級との距離を置こうとするベネットの葛藤も描かれています。

登場人物

シャーリー・メディスン

ベネットの元にメイドとしてやってきた13歳の少女。天涯孤独の身であり、幼いながらも家事を完璧にこなします。働き者で完璧主義な一面もありますが、身長が低いことが弱点です。主人であるベネットを慕い、彼女からもらった人形「マリー」を大切にしています。作者によれば、13歳のメイドという設定は映画『魔女の宅急便』の主人公キキから着想を得たとのことです。
ベネット・クランリー

シャーリーの主人で、カフェ「モナ・リザ」を経営する28歳の女性。元は上流階級の令嬢でしたが、両親の死後カフェを始めました。お嬢様育ちで楽観的な性格で、シャーリーの失敗を責めることはありません。カフェの常連客はほとんどが老人で、店の将来を心配しています。
常連の老人

「モナ・リザ」の常連客で、よくベネットと話をしています。他の森薫作品にも登場しています。

単行本

1. 2003年3月7日発行（2月24日発売）、ISBN 4-7577-1313-4
2. 2014年9月25日発行（9月13日発売）、ISBN 978-4-04-729917-7

第1巻には、商業誌デビュー前に描かれた全5話に加え、読み切り作品「僕とネリーとある日の午後」「メアリ・バンクス」が収録されています。

関連項目

エマ ([[漫画)]]

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