シュコダ・ファビアWRC

シュコダ・ファビアWRC：WRCの歴史に名を刻んだ小型ラリーカー

[シュコダ・ファビア]]WRCは、世界ラリー選手権]での活躍を目指してシュコダが開発した競技専用車両です。ベース車両は、コンパクトな[[ハッチバックであるシュコダ・ファビア。2003年、ドイツラリーでWRCデビューを果たしました。しかし、その戦績は期待を下回るものでした。優勝や表彰台を獲得することは叶わず、最高成績は2005年のツール・ド・コルスでの6位入賞にとどまりました。

開発の経緯と技術的特徴

シュコダは、以前からWRCに参戦しており、シュコダ・オクタビアWRCを開発していましたが、その成績は芳しくありませんでした。そこで、より競争力の高い車両として、ファビアWRCの開発に着手したのです。

開発において大きな課題となったのは、WRCのレギュレーションで規定されている車両全長4メートルに対し、標準的なファビアの全長が3.96メートルしかなかったことです。この問題を解決するために、シュコダは大型バンパーを装着したスポーツモデル「シュコダ・ファビアRS」を発売。これをベースに、ターボチャージャーと四輪駆動システムを搭載したWRカーを開発しました。

ファビアWRCは、先代のオクタビアWRCと比べて車体がコンパクトで、オーバーハングの重量が軽減されたことで、優れた操縦性を発揮しました。シャシーは補強されセーフティケージが装着され、ドライブシャフトを収納するトンネルがフロアに設置されています。リアサスペンションにはマクファーソンストラットを採用。エンジンは、アウディ製の1.8リッターエンジンをベースに、2.0リッターに排気量を拡大したものです。さらに、ターボラグを抑制するためのアンチラグシステム（ALS）も搭載されました。

駆動系には、初期モデルではパッシブデフ（前後）とハングオンクラッチ式のセンターデフを採用していましたが、2004年モデルからはプロドライブが設計した3個のアクティブデフを搭載しました。トランスミッションは、X-trac製とカールソン製の6速シーケンシャルギアボックスが使用されました。その後、パドルシフトも採用されました。

エンジンの最高出力は300bhp/5,500rpm、最大トルクは600Nm/3,500rpmに達しました。

WRCでの戦績とその後

2003年シーズンは、デビュー戦となったドイツラリーを始め、振るわぬ結果に終わりました。その後も、トップ10入りは稀で、WRCでの活躍は期待外れでした。

2004年には、主にヨーロッパラウンドに参戦し、テストを重ねて性能向上に努めました。エンジンチューナーが変更になるなど、開発体制も強化されました。その結果、徐々にパフォーマンスは向上していき、フィンランドやドイツ、ツール・ド・コルスなどでポイントを獲得しました。

2005年はフル参戦を果たし、コリン・マクレーなどの有名ドライバーがステアリングを握りましたが、最高成績は6位でした。しかし、オーストラリアラリーでは、マクレーが三菱のロバンペラと白熱した2位争いを演じ、多くのWRCファンを魅了しました。

2006年にはワークスチームは撤退しましたが、レッドブルのスポンサーを得てプライベーターチームとして参戦を続けました。しかし、レギュレーション変更の影響もあり、成績は低迷しました。

2007年以降は、完全にプライベーターチームにその座を譲り渡すこととなり、WRCにおけるファビアWRCの活躍は終止符を打ちました。しかし、この経験は、シュコダが後に開発するシュコダ・ファビアS2000に生かされ、IRCやヨーロッパラリー選手権などで数々の勝利とタイトルを獲得する礎となりました。

主要諸元

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