シュナントゥニッチ

シュナントゥニッチ（Xunantunich）

シュナントゥニッチは、ベリーズ西部に位置するマヤ文明の考古学的遺跡で、ベリーズシティから約130km西にあるカヨ郡に位置しています。この遺跡はモパン川に沿った尾根に位置し、グアテマラとの国境にも近いのが特徴です。名はマヤ語の「石の女」を意味し、古代における呼称は不明ですが、現代の名称は歴史的な逸話に由来していると言われています。

この逸話によると、1892年に白い服をまとった女性の幽霊が現れ、住人たちにこの場所に留まるように訴えていたということです。彼女は真っ赤な目を持ち、エル・カスティーリョの前で出現することが多く、石の階段を登って石壁の中に消えていく様子が目撃されたと伝えられています。

シュナントゥニッチの中心は約1平方マイル（約2.6km²）の広さを持ち、6つの広場と26以上の神殿や宮殿に囲まれています。この遺跡の主要な建物であるエル・カスティーリョは、高さ約40mを誇るピラミッドで、ベリーズの遺跡の中で2番目に高いものです。最も高いのはカラコルの神殿ですが、カスティーリョも訪れる価値のある素晴らしい構造物です。

建物の多くはマヤ古典期（約200年から900年頃）に建設され、発掘調査から、この遺跡が存在していた時期に地震が発生し、その影響で一部の建物が損傷した証拠も見つかっています。この地震がシュナントゥニッチが放棄された原因と考えられる説も存在します。

また、建物のファサードには、化粧しっくいによる装飾が施されていたことが発掘による調査で明らかになりました。これらの神殿は、600年代から800年代にかけて建設され、その中でも装飾が施されたのは最も後の800年代の時期です。最初の調査は1894年と1895年にトーマス・ガンの指揮の下で行われ、その後も1930年代から1990年代にかけて継続的に調査が行われています。

シュナントゥニッチで最も保存状態が良い石碑は、防水性の小さな建物の中に収容されており、紀元前200年から紀元150年ごろにかけて制作されたとされます。この石碑にはマヤ人の左向きの像が彫られ、大またで歩く姿が描かれています。彼は腕章以外の衣服を身につけていないようです。

周辺にはシュナントゥニッチと同様の遺跡も存在しており、Chaa Creekやカル・ペチがそれにあたります。シュナントゥニッチは、マヤ文明の文化や歴史を知るための重要な遺跡であり、訪れる人々に深い感銘を与える場所です。

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