シュプリンガー・サイエンス・アンド・ビジネス・メディア

シュプリンガー・サイエンス・アンド・ビジネス・メディアについて

シュプリンガー・サイエンス・アンド・ビジネス・メディア（Springer Science+Business Media）は、主に科学、技術、医学に関連する書籍やジャーナルを幅広く出版している国際的な企業です。この企業は、さまざまな形式の出版物を手掛けており、その中には参考図書や教科書、専門的なモノグラフ、プロシーディングス、叢書などが含まれます。シュプリンガーは、自然科学を中心とした約45,000のタイトルを提供する電子書籍プラットフォーム「SpringerLink」を運営し、数多くの学術的な情報を提供しています。シュプリンガーは、世界最大級のSTM（科学、技術、医学）出版社の一つであり、特にジャーナル部門では第2位の規模を誇ります。

歴史

シュプリンガー社は1842年、プロイセン王国のベルリンでユリウス・シュプリンガーによって設立されました。その後、4代にわたる経営のもと、理工系の書籍や学術雑誌を徐々に発行するようになりました。1920年代には量子力学に関する重要な論文を多数掲載し、その評判を確立しました。ただし、ナチス政権の反ユダヤ主義政策により、ユダヤ人の書籍出版が制限され、状況が厳しくなりました。戦後は再建に努め、1960年代には国際的な出版社に成長しました。1999年にはベルテルスマンが支配権を握り、その後の合併や取引を経て、2003年に現在の名称「シュプリンガー・サイエンス・アンド・ビジネス・メディア」が誕生しました。

出版活動

同社は毎年約2,000のジャーナルと7,000以上の新たな書籍を出版しており、学術界において重要な役割を果たしています。また、各国に約55の発行所を持ち、5,000人以上の従業員が所属し、国内外で多様な研究者や専門家と連携しています。特にアジア市場においても積極的な展開を行っており、香港にはアジア地域本部が存在し、北京には代表部が設置されています。

デジタルサービスとオープンアクセス

シュプリンガーは、電子書籍や電子ジャーナルを提供する「SpringerLink」をはじめ、SchringerProtocols（実験指導用のプロトコル）、SpringerImages（科学・技術・医学関連の画像データベース）、SpringerMaterials（物質や物性に関するデータベース）など、多様なオンラインサービスを提供しています。特にオープンアクセスの取り組みに関しては、「SpringerPlus」などを通じて研究者に無料で研究成果を共有する機会を提供しています。この方針は、科研費や他の資金提供機関が著作権保持のための費用を支援することを可能にし、より広範な情報共有を促進しています。また、シュプリンガーは多くのインプリントやジャーナルを展開しており、それぞれが特定の専門分野において評価されています。

社名の由来とロゴ

シュプリンガーという名前は、創業者の名字に由来しており、同社のロゴにはチェスのナイトが描かれています。このデザインは1881年に採用されて以来継続されており、常に注意を払って質の高い出版物を提供するという理念を象徴しています。1970年代以降、シュプリンガーは国際的不況の影響を受けることなく、安定的に成長を遂げてきました。

シュプリンガー・サイエンス・アンド・ビジネス・メディアは、科学技術分野における貴重な情報源として、今後も研究者や専門家に向けた出版活動を続けていくことでしょう。

もう一度検索