シュペルミステール (航空機)

シュペルミステール（Super Mystère）

シュペルミステールはフランスのダッソー・ブレゲー社によって開発された戦闘機で、1950年代に生まれた航空機の一つです。この機体は、当時のミステールIV Bを基に設計され、ヨーロッパ初の実用的な超音速戦闘機としての地位を確立しました。その外観は、後退角45度の後退翼を持つため、アメリカのF-100 スーパーセイバーに似ている点が特徴的です。

シュペルミステール B.1の初飛行は1955年3月2日であり、翌日には音速を超えることに成功しました。この業績は、当時の航空技術の発展を象徴するものでした。国際的には、1957年から量産型のシュペルミステール B.2がフランス空軍に配備されましたが、その後に開発されたミラージュIIIの出現により、その生産数は180機に留まりました。シュペルミステールは1977年までフランス空軍において現役で運用されていました。

イスラエルでの利用

フランス以外でのシュペルミステールの運用が注目されるのは、イスラエルにおける展開です。この機体は「サール」（ヘブライ語で「嵐」を意味する）という名称で呼ばれ、特に中東戦争において活躍しました。最初の24機が1958年にイスラエルに輸出され、1963年には12機が追加で導入されました。これにより、合計36機のシュペルミステールB.2がイスラエル空軍の第105飛行隊で集中運用されることになりました。

1967年に発生した第三次中東戦争において、シュペルミステールはその活躍を顕著にしました。この戦闘では、6機のシュペルミステールが敵を撃墜し、その中にはシリアのMiG-21が2機含まれていました。しかし、シュペルミステールはこの戦争で9機を失う結果となりました。戦争後の1969年から1973年には、残存する26機のエンジンがA-4スカイホークと同型のJ52に換装され、外見にも改修が施されました。この改修により、エンジン排気口が後方に延長され、外観からもその改造を識別できるようになりました。

1973年の第四次中東戦争の際には、22機のシュペルミステールが運用可能でしたが、戦闘の中で6機を失うこととなりました。結局、イスラエル空軍のシュペルミステールB.2は1975年に退役し、12機が1976年、4機が1979年にホンジュラスに売却されました。ホンジュラス空軍では1996年までシュペルミステールB.2の運用が続けられました。

技術仕様

シュペルミステールの性能は以下の通りです：

• - 全長: 14.0 m
• - 全幅: 10.1 m
• - 全高: 4.60 m
• - 翼面積: 32.0 m²
• - 空虚重量: 6,390 kg
• - 最大離陸重量: 10,000 kg
• - エンジン: スネクマ アター101G
• - 推力: 4,500 kg
• - 最大速度: 1,195 km/h
• - 航続距離: 1,175 km
• - 武装: DEFA 552 30mm機関砲×2、爆弾・ロケット弾など外部兵装2,680 kg
• - 乗員: 1名

シュペルミステールは、航空戦における重要な役割を果たした機体で、その技術革新は今なお記憶に残るものです。

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