シュマゴラス

シュマゴラス：クトゥルフ神話からマーベル・ユニバースへ

シュマゴラスは、クトゥルフ神話にルーツを持つ架空の邪神にして、マーベルコミックに登場するスーパーヴィランです。ロバート・E・ハワードのクトゥルフ神話作品に端を発する存在が、マーベルの世界観に組み込まれ、独自の進化を遂げている点で特異なキャラクターと言えるでしょう。マーベル・コミック作品への登場だけでなく、マーベルvsカプコンシリーズなどを通じて、日本でも広く認知されるようになりました。

邪神シュマゴラスの起源と能力

シュマゴラスの名は、ロバート・E・ハワードの『黄金のドクロの呪い』に登場する「シュマゴラスの書」に由来するとされています。脚本家のロイ・トーマスは、クトゥルフ神話の邪神であるシュブ＝ニグラスをイメージしてシュマゴラスを創作したと語っています。

1972年から1974年にかけて連載された『マーベル・プレミア』で初登場を果たしたシュマゴラスは、魔術師ヒーロー、ドクター・ストレンジの宿敵として描かれました。ドルマムゥと同じ次元から来た支配者であるシュマゴラスは、封印を解き、地球征服を企みます。師であるエンシェント・ワンを吸収し、配下の邪神たちをストレンジにけしかけましたが、ストレンジは苦悩の末、ワンを犠牲にすることでシュマゴラスの復活を阻止しました。しかし、その後もシュマゴラスは地球侵略を企み続け、様々なヒーローたちと激闘を繰り広げています。

シュマゴラスの最も恐るべき能力は、人の恐怖心を具現化したような姿へと変身することです。その真の姿は、単眼の胴体から無数の触手が生えた、見る者を恐怖に陥れる怪物です。作品によってその姿の色やディテールは異なって描かれています。また、シュマゴラスの複眼から生み出される分身はクォゴスと呼ばれています。

さらに、『蛮人コナン』のコミカライズ作品では、シュマゴラスは遥か古代アトランティス時代に封印され、キンメリア時代にはコナンと戦ったことが描かれています。このように、シュマゴラスはマーベル・ユニバースにおいて、時空を超えて暗躍する邪神として確固たる地位を築いています。

マーベル・ユニバースにおける人気

マーベル・スーパーヒーローズシリーズへの起用後、カプコンからのオファーを受けた際には、マーベル社内でも忘れられていたほどマイナーな存在だったという逸話があります。しかし、『シュマちゃん』という愛称で呼ばれるほど、独特のキャラクター性と「シュ」「しゅましゅ」といった語尾に付ける癖のある口調で一定の人気を獲得しました。

MCU版シュマゴラス

2022年に公開された映画『ドクター・ストレンジ／マルチバース・オブ・マッドネス』にもシュマゴラスが登場しました。しかし、権利上の問題から、ネイモアの敵の名前を使用して登場したという経緯があります。

まとめ

クトゥルフ神話という異質な起源を持ちながら、マーベル・ユニバースに独自の地位を築き上げたシュマゴラス。その恐ろしい姿、圧倒的な力、そして意外な人気は、多くのファンを魅了し続けています。今後も、シュマゴラスの活躍は、マーベル・ユニバースを彩り続けることでしょう。

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