シュリーランガパトナ条約

シュリーランガパトナ条約

シュリーランガパトナ条約は1792年3月18日にインドのシュリーランガパトナで締結された歴史的な和平協定です。この条約は、マイソール王国とイギリス東インド会社、ニザーム王国、マラーター王国の間で結ばれました。正式には「シュリーランガパッタナ条約」とも呼ばれています。

背景

この条約は、1792年に発生した第三次マイソール戦争の結果として結ばれました。戦争の末期、マイソール王国を治めるティプー・スルターンと、イギリス軍を指揮するチャールズ・コーンウォリスとの間で和平を結ぶ必要がありました。その結果、シュリーランガパトナ条約が締結されることになったのです。

条約の内容

シュリーランガパトナ条約では、マイソール王国は多くの厳しい条件に直面しました。まず、ティプー・スルターンは降伏を強いられ、マイソールの約半分に相当する広大な領土をイギリスおよびその同盟国に譲渡しなければなりませんでした。具体的には、カリカット地方とバーラーマハル地方がイギリスに、さらにニザーム王国には北部が、マラーター王国には東北部が割譲されることになりました。これにより、マイソール王国の territorial integrityは大きく損なわれたのです。

さらに、この条約では、マイソール王国は賠償金を支払う義務も負いました。その額は驚くことに3000万ルピーにも達しました。この膨大な金額は、当時としては非常に高額であり、マイソールの財政に大きな打撃を与えるものでした。

また、条約によって捕虜となっていた人々の解放も要求され、ティプー・スルターンはさらに困難な決断を迫られることになりました。彼は高額の賠償金の支払いを保証するために、愛する二人の息子を人質としてイギリス側に引き渡すことになったのです。この瞬間、彼の心中は非常に複雑で、息子たちを見送る際には深い悲しみに包まれたと言われています。

息子たちの運命

ティプー・スルターンの息子たちがイギリス側に引き渡される際、彼らは豪華な服装を施され、真珠の首飾りや装飾品で飾られていました。コーンウォリスは、彼らに対し丁寧に接するよう部下に指示し、自身もまた優しい態度で接したと記録しています。手紙には「2人の少年は礼儀正しく、非常に楽しい存在である」との感想が記されています。

イギリスに引き渡された息子たちは、その後マドラスへと移送され、1792年10月には釈放の運びとなりましたが、保釈金の問題からその実現には時間がかかりました。最終的に1794年3月29日に彼らは故郷シュリーランガパトナへと帰還することができました。

結論

シュリーランガパトナ条約は、マイソール王国にとって痛ましい歴史の一部であり、植民地時代のインドにおける権力バランスの変化を象徴する出来事となりました。この条約の締結は、地域の政治的地図を塗り替え、その後の歴史に影響を与える重要な節目となりました。

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