シュロモー・ザンド

シュロモー・ザンド（1946年9月10日生まれ）は、イスラエルの歴史学者であり、テルアビブ大学人文学部歴史学科に所属しています。彼はオーストリアのリンツで生まれました。

生い立ちと教育

ザンドはリンツの難民キャンプで生まれ、1948年にホロコーストを逃れた両親と共にイスラエルに移住しました。彼は、パレスチナ占領政策に反対する左翼団体で活動しました。テルアビブ大学で歴史学の高等教育を始め、パリの社会科学高等研究院でそれを終えました。1983年、同研究所でジョルジュ・ソレルの思想に関する博士論文を完成させ、翌年に出版しました。1984年以降、テルアビブ大学で現代ヨーロッパ史を教えています。

主要な業績

ザンドの最新の著書『いつ、どうやってユダヤ民族は作られたのか？』（ヘブライ語、2008年）は、イスラエルのマスメディアで大きく取り上げられ、国内で19週連続のベストセラーとなりました。その後、世界15カ国で翻訳され、日本語訳は2010年に『ユダヤ人の起源 ― 歴史はどのように創作されたのか』というタイトルで浩気社から出版されました。同年6月にはザンドが来日し、東京、京都、広島で講演を行いました。

日本との関わり

日本のジャーナリストである広河隆一とは、1960年代に反パレスチナ占領運動を共に行うなど親交があり、ザンドの来日は広河の招きによるものでした。

著書

邦訳書
『ユダヤ人の起源 ― 歴史はどのように創作されたのか』高橋武智, 佐々木康之, 木村高子訳、浩気社, 2010年／筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉, 2017年

受賞歴

2009年に、現代の政治・歴史に関する著書に与えられるフランスの今日賞を受賞しました。

外部リンク

Anita Shapira, Review Essay: The Jewish-people deniers, The Journal of Israeli History, Vol. 28, No. 1, March 2009, 63-72 (in engl.)
Simon Schama, The Invention of the Jewish People, Financial Times, November 13 2009 (in engl.)
* MARTIN GOODMAN, Secta and natio, The Times Literary Supplement, February 26, 2010

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