シュンギク属

シュンギク属（学名：Glebionis）は、キク科に分類される植物の小さな属です。ヨーロッパの地中海沿岸地域に3〜4種が分布しており、20世紀後半にキク属（Chrysanthemum）から分離・独立しました。

特徴

シュンギク属の植物は、草丈が50cmから1m程度まで成長する一年草です。耐寒性があり、比較的寒さに強い性質を持っています。葉は根元から生える根生葉と茎につく葉の2種類があり、茎につく葉は互い違いに生える互生です。葉には1回または2回の羽状の切れ込みが見られます。

花は茎の先端に単独で咲き、直径5〜8cmほどの頭状花を形成します。舌状花は、基本的には白または黄色をしていますが、園芸品種として改良されたものには、樺色やピンク色の花を咲かせるものもあります。また、舌状花の付け根に蛇の目模様が現れる品種も存在します。

シュンギク属の植物は、生育期間が比較的短いため、極端な温度変化がない限りは収穫が可能です。種子は播種後、約2ヶ月ほどの休眠期間を経ます。栽培上の注意点として、炭疽病や連作障害などの病害虫が発生する可能性があるため、注意が必要です。

シュンギク属は、キク属やフランスギク属（Leucanthemum）とは非常に近い関係にある植物群と考えられています。

主な種と利用

シュンギク属の中で特に知られている種としては、以下の2つが挙げられます。

シュンギク (Glebionis coronaria)：主に日本を含む東アジア地域で、野菜として広く利用されています。独特の香りと風味が特徴で、鍋料理やおひたしなど、さまざまな料理に使われます。
ハナワギク (Glebionis carinata)：欧米では「tricolour daisy」として親しまれ、花壇や切り花用の観賞植物として栽培されています。その名の通り、花色がカラフルで美しいのが特徴です。

シュンギク属の植物は、食用としても観賞用としても人々の生活に彩りを添える存在であり、その多様な魅力は多くの人々に愛されています。

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