ショウビン亜科

ショウビン亜科 (Halcyoninae) について

ショウビン亜科は、カワセミ科に属する鳥類の分類群の一つで、以前はヤマショウビン亜科やワライカワセミ亜科とも呼ばれていました。また、科として扱われることもあり、その場合はショウビン科、ヤマショウビン科、ワライカワセミ科などと呼ばれます。ショウビン亜科には、和名に「ショウビン」と付く種が多数含まれていますが、実は「ショウビン」という名前の種は存在しません。

分布と特徴

ショウビン亜科の鳥類は、旧世界（ヨーロッパ、アジア、アフリカ）とオーストラリア区、オセアニア区に広く分布しています。彼らの主な特徴は、比較的短い嘴を持っていることです。また、森林の地面近くで活動し、小型の脊椎動物や節足動物を捕食する傾向があります。

系統と分類

カワセミ科は、一般的に3つの亜科に分けられますが、これらの亜科間の系統関係はまだ完全には解明されていません。ショウビン亜科はそのうちの一つです。

過去の分類

以前の分類体系では、ショウビン亜科はショウビン科として独立し、単型のショウビン上科に分類されていたこともあります。

現在の分類

現在、国際鳥類学会議（IOC）では、ショウビン亜科は12属62種に分類されています。日本国内では、アカショウビン、ヤマショウビン、ナンヨウショウビン、そして絶滅したミヤコショウビンが生息していました。

代表的な属と種

以下に、ショウビン亜科に含まれる主な属と種をいくつか紹介します。

Actenoides
チャバラショウビン (Actenoides monachus)
チャイロショウビン (Actenoides princeps)
ブーゲンビルショウビン (Actenoides bougainvillei)
シロボシショウビン (Actenoides lindsayi)
フィリピンアオヒゲショウビン (Actenoides hombroni)
アオヒゲショウビン (Actenoides concretus)
Melidora
カギハシショウビン (Melidora macrorrhina)
Lacedo
カザリショウビン (Lacedo pulchella)
Tanysiptera (ラケットカワセミ属)
ラケットカワセミ (Tanysiptera galatea)
シロハララケットカワセミ (Tanysiptera ellioti)
ビアクラケットカワセミ (Tanysiptera riedelii)
アオムネラケットカワセミ (Tanysiptera carolinae)
アルーラケットカワセミ (Tanysiptera hydrocharis)
シラオラケットカワセミ (Tanysiptera sylvia)
アカハララケットカワセミ (Tanysiptera nympha)
チャガシララケットカワセミ (Tanysiptera danae)
Cittura
アオミミショウビン (Cittura cyanotis)
Clytoceyx
ハシブトカワセミ (Clytoceyx rex)
Dacelo (ワライカワセミ属)
ワライカワセミ (Dacelo novaeguineae)
アオバネワライカワセミ (Dacelo leachii)
アルーワライカワセミ (Dacelo tyro)
チャバラワライカワセミ (Dacelo gaudichaud)
Caridonax
コシジロショウビン (Caridonax fulgidus)
Pelargopsis (コウハシショウビン属)
コウハシショウビン (Pelargopsis capensis)
セレベスコウハシショウビン (Pelargopsis melanorhyncha)
チャバネコウハシショウビン (Pelargopsis amauropterus)
Halcyon (ヤマショウビン属)
アカショウビン (Halcyon coromanda)
アオショウビン (Halcyon smyrnensis)
ジャワショウビン (Halcyon cyanoventris)
セグロショウビン (Halcyon badia)
ヤマショウビン (Halcyon pileata)
ハイガシラショウビン (Halcyon leucocephala)
チャガシラショウビン (Halcyon albiventris)
タテフコショウビン (Halcyon chelicuti)
アオムネショウビン (Halcyon malimbica)
セネガルショウビン (Halcyon senegalensis)
マングローブショウビン (Halcyon senegaloides)
ミヤコショウビン (Halcyon miyakoensis) ※絶滅種、種の地位は疑問視されている
Todiramphus
アオグロショウビン (Todiramphus nigrocyaneus)
コンイロショウビン (Todiramphus winchelli)
モルッカショウビン (Todiramphus diops)
アイイロショウビン (Todiramphus lazuli)
モリショウビン (Todiramphus macleayii)
セジロショウビン (Todiramphus albonotatus)
ルリショウビン (Todiramphus leucopygius)
クリハラショウビン (Todiramphus farquhari)
ハルマヘラショウビン (Todiramphus funebris)
ナンヨウショウビン (Todiramphus chloris)
タラウドショウビン (Todiramphus enigma)
ズアカショウビン (Todiramphus cinnamominus)
シロガシラショウビン (Todiramphus saurophaga)
ヒジリショウビン (Todiramphus sanctus)
サモアショウビン (Todiramphus recurvirostris)
マンガイアショウビン (Todiramphus ruficollaris)
ゴマフショウビン (Todiramphus veneratus)
トゥアモトゥショウビン (Todiramphus gambieri)
マルサケスショウビン (Todiramphus godeffroyi)
コシアカショウビン (Todiramphus pyrrhopygia)
Syma (キバシショウビン属)
キバシショウビン (Syma torotoro)
ヤマキバシショウビン (Syma megarhyncha)

まとめ

ショウビン亜科は、多様な生息環境に適応した魅力的な鳥類のグループです。それぞれの種が独自の生態を持ち、その多様性が生物学的な研究対象としても興味深いものです。この文章が、ショウビン亜科の理解を深める一助となれば幸いです。

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