ショク川

ショク川とは

ショク川（Shyok River）は、インドのラダック北部とパキスタンのギルギット・バルティスタン州ガンチェ県を貫流する全長約550キロメートルの河川です。この川の名前は、ウイグル語のヤルカンド方言で「死の川」を意味します。また、ローマ字表記には「Shoyok」などの揺れがあり、日本語ではシュヨク川、ショック川、シヨック川などの表記が用いられることもあります。

流れの特徴

ショク川は、インダス川の主要な支流のひとつであり、その水源はシアチェン氷河に由来しています。ショク川はリモ氷河から始まり、流れの途中でヌブラ川と合流し、川幅が広がります。その流路は非常に特徴的で、最初は南東に向かって流れますが、パンゴン山脈に差し掛かると北西への向きを変え、上流部との流れが逆向きに流れる独特の地形を描きます。さらに、広い河谷を流れるショク川は、チャルンカを過ぎると狭い峡谷に突入し、トゥルトゥクを貫流した後、パキスタン側に入ります。最終的には、スカルドゥの町の東にあるケリスでインダス川に合流します。

この流れ方は、シアチェン氷河に起源を持つヌブラ川とも類似しています。ヌブラ川もまた、初めは南東方向に流れ、ショク川に近づくにつれ北西に流れを変えることが観察されています。この二つの川の流れの類似性は、この地域に走る一連の古い断層によって影響されている可能性があります。これらの断層が上流部の流れを制限し、特定の経路に流れるようにしていると考えられています。

地質的意義

ショク川とインダス川は、共に厚い第四紀の堆積層が見られ、地質学者にとっては非常に興味深い研究対象となっています。この地域の地形や地質の調査は、古環境の復元や地殻変動の理解に貢献するでしょう。

ショク河谷

ショク川が流れるショク河谷（the Shyok Valley）は、ラダック地域に位置しており、ヌブラ河谷にも近接しています。レーの北方に位置するラダック山脈を越える峠、カルドゥン・ラは、ショク河谷やヌブラ河谷の入り口となっており、これらの河谷へのアクセスが提供されています。ヌブラ河谷を遡れば、最終的にシアチェン氷河にも達するため、自然の絶景を楽しむことができます。

このように、ショク川とその周辺地域は、自然の美しさに加え、地理的および地質的な重要性を持っています。さまざまな民族文化と自然環境が交錯する場所として、多くの探検者や旅行者を引きつけています。

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