第四紀

第四紀とは

第四紀（Quaternary period）とは、約258万8000年前から現在までを含む地質時代を指します。この時代は、完新世（Holocene）と更新世（Pleistocene）の2つの世に細分化されます。地質時代は通常、生物相の変化や大量絶滅を境界として区分されますが、第四紀は主に人類の歴史に基づき、独自の基準で定義されています。これに伴い、古人類の新発見があるたびに、第四紀の開始時期に関する理解も変わってきました。現在では、ヒト属の誕生を起点として、地層や気候の変化を考慮しながらその年代が決定されています。

語源と歴史的経緯

「第四紀」という名称は、古くは地質時代を第一紀、第二紀、第三紀、第四紀という4つの分類で考えていた名残です。このうち、第四紀だけが今日でも正式に使用されており、第三紀はさらに古第三紀と新第三紀に分けられました。

国際地質科学連合（IUGS）が2009年に地質年代の区分を見直したことも、第四紀の理解に影響を及ぼしています。それまで「第三紀」と呼ばれていた時代が、「古第三紀」と「新第三紀」として明確に分かれることになり、ジェラシアンという期間も第四紀の更新世に組み込まれることになりました。これにより、従来の181万年前から258.8万年前までの期間が第四紀とされ、その範囲が80万年も遡ることとなりました。

第四紀の特徴

生物相の変化

第四紀は人類の進化と繁栄の歴史が詰まった時代です。特に、更新世の終わりに多くの動物が絶滅しました。例として、マンモスをはじめ、北米ではウマ、ラクダ、チーターなどが絶滅したことが知られています。これらは気候変動と人類の影響が重なり合った結果と考えられています。

気候変動

この時代には、北半球の高緯度地域に巨大な氷河が広がり、氷河時代特有の氷期と間氷期が交互に訪れました。これらは約4万年周期での気候変動によって規定され、地球の環境に大きな影響を及ぼしました。幅広い気候変動の研究は、今後の環境問題の理解にもますます重要となりつつあります。

新生代との関係

2004年に提唱された新第三紀への第四紀の併合案は、国際地質学会での議論を経て否決されました。そのため、第四紀は引き続き独立した時代として認識されることになり、260万年前をその始まりとして新たに定義されました。これにより、第四紀は地球の歴史の中でも特に短期間のものとされるものの、現在の地球においても重要な時代であることが強調されることになりました。

まとめ

第四紀の理解は、私たちの歴史や未来に対する視点を広げる重要な要素です。地質学的な視点から人類の進化とその影響を探ることで、私たちはよりよい未来を目指すための知識を得ることができます。

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