ショット・ミュージック

ショット・ミュージック：音楽出版の歴史と現代への貢献

ショット・ミュージック（Schott Music）は、1770年にドイツのマインツでベルンハルト・ショットによって設立された、ドイツで2番目に古い音楽出版社です。270名以上の従業員を擁し、マインツ、ロンドン、ニューヨーク、東京など世界10か所に拠点を構え、国際的に事業を展開しています。

歴史

創業者ベルンハルト・ショットは、マインツ選帝侯領内での楽譜の再販・販売独占権を獲得し、リトグラフ印刷技術をいち早く導入しました。これにより、楽譜の大規模な印刷・流通を可能にし、出版事業を拡大しました。当初はマンハイム楽派の作品や、モーツァルトのオペラなどを出版し、その名声を高めました。

19世紀には、ワーグナー作品の出版に尽力しました。フランツ・ショットはワーグナーと独占的な協力関係を結び、『ニュルンベルクのマイスタージンガー』や『ニーベルングの指環』、『パルジファル』などの重要な作品を出版しました。

20世紀に入ると、「Music of Our Time」という20世紀作品のシリーズを開始し、ストラヴィンスキー、シェーンベルクなどの作品を出版しました。また、ヒンデミットやカール・オルフなど、現代音楽の作曲家との提携を深め、現代音楽の発展に大きく貢献しました。

特徴

ショット・ミュージックの出版目録には、31,000件以上の楽譜が登録されており、貸与目録にも10,000件以上の楽譜が登録されています。全集、舞台作品、演奏会用作品から教則本、楽譜、マルチメディア商品まで、幅広い商品を取り扱っています。

Panton、Ars-Viva、エルンスト・オイレンブルクなど、多くの音楽出版社を合併したほか、ヴェルゴ（現代音楽）、Intuition（ジャズ）という2つの録音レーベル、ロベルト・シューマンが設立した新音楽時報など7つの専門誌も傘下に収めています。

現代音楽への貢献

ショット・ミュージックは、現代音楽の作曲家との提携に力を入れています。ハンス・ヴェルナー・ヘンツェの作品を55年間に渡り独占的に出版してきたほか、リゲティ・ジェルジュ、クシシュトフ・ペンデレツキ、アレクサンダー・ゲール、アリベルト・ライマンなどの作品も30年以上に渡り独占的に出版しています。

近年では、ハヤ・チェルノヴィン、ジョー・ダデル、モーリッツ・エッゲルトなど、若い作曲家の作品も積極的に出版しています。

映画音楽

エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト、ニーノ・ロータ、ハワード・ショアなど、映画音楽の作曲家の作品も出版しています。

ショット・ミュージックは、長年にわたり音楽出版の分野で重要な役割を果たしてきました。その歴史と現代音楽への貢献は、音楽史において特筆すべきものです。

参考

公式サイト （ドイツ語）
公式サイト （日本語）

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