ショファイユの幼きイエズス修道会

ショファイユの幼きイエズス修道会：160年を超える奉仕の歴史

ショファイユの幼きイエズス修道会（以下、修道会）は、1859年、フランスのソーヌ＝エ＝ロワール県ショファイユでレーヌ・アンティエによって設立されたカトリック教会の女子修道会です。フランスを拠点に、カナダ、日本、ドミニカ共和国、チャド、カンボジア、ハイチなど世界各国で、教育と福祉の分野において幅広く活動しています。

レーヌ・アンティエと修道会の設立

創立者であるレーヌ・アンティエは1801年、フランスの中部オーベルニュ地方で生まれました。1819年、ル・プュイの「幼きイエズス教育姉妹会」に入会し、修練期間を経て、1846年にはショファイユ支部へ派遣されます。そして、1859年、ショファイユ支部は教会の要請により母院から分離、独立し、「幼きイエズス修道会」として新たにスタートを切ることとなります。レーヌ・アンティエは初代の総長に選ばれました。

日本における活動

1877年、ベルナール・プティジャン司教の招きにより、4名の修道女が日本へ渡来しました。神戸、京都、大阪、長崎、熊本などを拠点に、女性の教育や、孤児、高齢者、ハンセン病患者へのケアに尽力しました。第二次世界大戦中には、長崎の原爆で邦人修道女が犠牲となるという悲しい出来事も経験しています。

現在、兵庫県宝塚市仁川を拠点に、全国各地（東京、和歌山、久留米、鹿児島県、沖縄県）やカンボジアのシェムリアップとカンポートで活動し、女子教育、幼児教育（幼稚園）、福祉事業などに貢献しています。特に女子教育には力を入れており、多くの学校を設立・運営しています。

教育活動：いのちを育む信愛教育

修道会は「いのちを育む信愛教育」を理念として、キリスト教の教えに基づいた教育を実践しています。

キリストの教えに根ざした教育
一人ひとりを大切にする教育
能力開発を目指す教育
自己形成を促す教育
社会貢献への態度を形成する教育

これらの教育理念のもと、多くの教育機関を運営しています。

教育機関

修道会が設立母体として関わっている、または運営している教育機関には以下があります。

学校法人大阪信愛女学院（大学、短期大学、幼稚園、保育園、小学校、中学校、高等学校）
和歌山信愛大学
和歌山信愛女子短期大学
久留米信愛女学院短期大学
和歌山信愛中学校・高等学校
久留米信愛中学校・高等学校
熊本信愛女学院中学校・高等学校

かつては神戸海星女子学院中学校・高等学校、神戸海星女子学院大学も設立母体として関わっていましたが、現在は別の修道会が運営しています。

福祉活動

教育活動に加え、福祉活動にも積極的に取り組んでいます。児童養護施設、障害者支援施設、特別養護老人ホームなどを運営し、地域社会に貢献しています。主な施設は以下の通りです。

久留米天使園（久留米市）
熊本天使園（熊本県合志市）
イエズスの聖心病院（熊本市）
薩来園（鹿児島県薩摩川内市）
めぐみの園（鹿児島県奄美市）

沿革

修道会の歴史を簡単にまとめると以下のようになります。

1801年：レーヌ・アンティエ誕生
1819年：「幼きイエズス教育姉妹会」に入会
1846年：ショファイユ支部設立
1859年：ショファイユ支部が独立し、「幼きイエズス修道会」として設立
1877年：日本へ宣教開始
1884年：大阪信愛女学校（後の大阪信愛女学院）開設
1900年：熊本静瑰女学校（後の熊本信愛女学院）創立
1912年：カナダ宣教開始
1969年：ドミニカ共和国宣教開始
1980年：チャド共和国宣教開始
2002年：カンボジア宣教開始
2017年：ハイチ共和国宣教開始
2019年：和歌山信愛大学開学
* 2022年：大阪信愛学院大学開学

この他にも多くの出来事や、学校、施設の設立、移転などがこの160年以上に渡ってありました。

参考文献

修道会に関する詳しい情報や歴史については、多くの書籍が出版されています。

まとめ

ショファイユの幼きイエズス修道会は、創立以来160年以上にわたり、教育と福祉の分野で世界各国、そして日本で活躍を続けている修道会です。キリスト教精神に基づいた活動を続け、未来へと希望の光を灯し続けています。

もう一度検索