シラ・ブラック

シラ・ブラック：イギリスを代表するエンターテイナーの軌跡

シラ・ブラック（Cilla Black、本名：プリシラ・マリア・ヴェロニカ・ホワイト）は、1943年5月27日にリヴァプールで生まれ、2015年8月1日にスペインで亡くなったイギリスの国民的スターです。歌手、司会者、女優、作家として、幅広い分野で活躍しました。

キャリアの始まり

シラ・ブラックは、幼い頃から歌とエンターテイメントの世界に憧れを抱いていました。リヴァプールのキャヴァーン・クラブでクローク係として働きながら、歌手としてのチャンスを伺っていました。1960年代初頭、地元の音楽新聞でその才能が認められ、「シラ・ブラック」という愛称で歌手活動を開始。当初は「Swinging Cilla」という名義で活動し、ロリー・ストーム&ザ・ハリケーンズやキングサイズ・テイラー&ザ・ドミノズのゲスト・ボーカリストも務めました。

マネージャーのブライアン・エプスタインとの契約を経て、ジョージ・マーティンの目に留まり、パーロフォン・レコードと契約。1963年に「Love of the Loved」でデビューを果たしました。

歌手としての成功

1964年に発表した2枚目のシングル『Anyone Who Had a Heart』は、全英シングルチャートで3週連続1位を獲得する大ヒットとなり、彼女の名を一躍有名にしました。続く『You're My World』も全英1位を獲得し、アメリカでもチャートインするなど、国際的な成功を収めました。その後も、『ステップ・インサイド・ラヴ』など数々のヒット曲をリリースし、1960年代を代表する女性歌手としての地位を確立しました。

司会者、女優としての活躍

1968年からは、BBCのバラエティ番組『Cilla』の司会を務め、そのユーモアと親しみやすい人柄で人気を博しました。その後も、『Blind Date』や『The Moment of Truth』など、数々の人気番組で司会を務め、イギリスのテレビ界を代表する存在となりました。また、コメディ女優としても才能を発揮し、テレビシリーズ『Cilla's Comedy Six』などに出演しました。

その後

1997年には、その功績が認められ、大英帝国勲章（OBE）を受章しました。2014年には、芸能生活50周年を記念して、英国アカデミー賞テレビ部門の特別賞を受賞。2015年8月1日、スペインの別荘で亡くなりました。死因は転倒によるくも膜下出血とされています。

遺産

シラ・ブラックは、その歌声と明るいキャラクターで、多くの人々に愛されたエンターテイナーでした。彼女の音楽とテレビ番組は、今もなお多くの人々に親しまれています。2017年には、キャヴァーン・クラブ創業60周年を記念して、彼女の銅像が設置され、その功績は永遠に語り継がれることでしょう。

ディスコグラフィー (一部抜粋)

シングル:
Love of the Loved (1963)
Anyone Who Had a Heart (1964)
You're My World (1964)
ステップ・インサイド・ラヴ (1968)

アルバム:
Cilla Black (1965)
Cilla Sings a Rainbow (1966)
* Images (1968)

シラ・ブラックは、イギリスのエンターテイメント史にその名を刻む、不朽のスターです。

もう一度検索