シリル・ラマポーザ

マタメーラ・シリル・ラマポーザについて

マタメーラ・シリル・ラマポーザは、1952年11月17日に南アフリカ共和国で生まれた政治家であり実業家です。彼は南アフリカの第12代大統領であり、アフリカ民族会議（ANC）の第14代議長を務めるなど、幅広い政治的背景を持っています。さらに、彼は副大統領としての役割を果たしたほか、国家計画委員会の委員長や、2020年度のアフリカ連合議長も歴任しました。

青年期と教育

ラマポーザはヨハネスブルグのソウェトで父サミュエルと母エルドマスのもと、家族の中で第2子として成長しました。彼はソウェトのツィリッツィ小学校とセカノ・ントアン中学校で学び、その後、ヴェンダ共和国でムパプリ高校に進学します。ここで彼は1971年に学生キリスト教運動の代表に選出され、学生運動に積極的に関与しました。高校卒業後は北部大学の法学部に入学し、様々な学生運動に参加。1974年にはテロリズム法違反で逮捕され、約11ヶ月間独房に拘禁されるという経験をしました。

労働運動と政治活動

大学卒業後、ラマポーザは南アフリカ労働組合評議会（CUSA）に法務部門のアドバイザーとして参加。その後、1982年には全国鉱山労働者連合（NUM）を発足させ、合わせて南アフリカの鉱山業における黒人労働者の組織化を進めました。彼の指導のもと、組合員は急増し、南アフリカ国内で大きな影響力を持つようになりました。1985年には南アフリカ労働組合会議（COSATU）の結成に関与し、政治活動も活発化しました。

1990年、国民党政府が政治囚を釈放すると、ラマポーザはネルソン・マンデラの釈放のための歓迎集会を調整し、1991年にはANCの事務総長に選出され、アパルトヘイトの終結に向けた交渉責任者としての役割を果たしました。1994年の総選挙では国民議会議員に当選し、憲法制定会議の議長に選出されるなど、ジャスティン政権下で重要な役割を果たしました。

実業界への移行

1997年以降、ラマポーザは実業界にも進出し、多国籍通信企業のMTNグループや新たな投資企業の取締役を務め、巨額の資産を形成しました。この時期、彼は南アフリカ経済の発展に寄与する経営者としての名声を高めました。

政界復帰と副大統領職

2012年にANCの副議長選挙に勝利し、2014年には副大統領に就任。彼の就任以降、南アフリカの政治情勢は変化し、彼は政府の主要な役割を果たしてきました。また、2017年にはANC議長に選出され、名実ともに党のリーダーとなりました。

大統領としての役割

2018年にズマ大統領が辞任した際、ラマポーザは国民議会によって新しい大統領として選出されました。彼の政権においては、汚職対策や経済改革が重要視され、特に土地改革やエネルギー政策に注力しています。2022年にはイギリス訪問や国際的な外交にも精力的に取り組んでおり、2024年には再選を果たしました。

政策と課題

ラマポーザ政権では、土地の無補償収用を認める憲法改正や、民間企業による電力生産基準の引き上げなどが施行されましたが、政権の腐敗や経済低迷が批判され続けています。彼は国内外での意見を取り入れながら、南アフリカの経済復興を図っています。

彼のリーダーシップの下、南アフリカは変革の途上にあり、引き続き注目される存在です。

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