シリーズ世界周航記
「シリーズ世界周航記」は、
岩波書店が
2006年から
2007年にかけて刊行した
叢書で、全8巻と別巻1冊から構成されています。このシリーズでは、
18世紀後半のヨーロッパ人による世界周航に関する重要な記録が翻訳され収められています。航海日誌や航海記、さらには架空の旅行記も含まれており、当時の冒険や発見の様子を知る上で貴重な資料となっています。
発刊の背景
シリーズの第1回配本は、
2006年4月に行われました。この際には、シリーズ全体に関する案内と意義をまとめた別巻「新しい世界への旅立ち」と、重要な作品のひとつである第3巻『南半球周航記』上が同時に刊行されました。その後、隔月ごとに各巻がリリースされ、
2007年6月に第6巻『世界周航記』下をもってシリーズは完結しました。
巻構成と内容
シリーズは以下のような構成になっています。
- - 南太平洋発見航海記(バイロン/ロバートソン/カートレット) 〈原田範行 訳〉 - 2007年2月刊行
- - 世界周航記(ブーガンヴィル) 〈山本淳一 訳〉/ブーガンヴィル航海記補遺(ディドロ) 〈中川久定 訳〉 - 2007年4月刊行
- - 南半球周航記 上(クック) 〈原田範行 訳〉 - 2006年4月刊行
- - 南半球周航記 下(クック) 〈原田範行 訳〉 - 2006年6月刊行
- - 世界周航記 上(フォルスター) 〈服部典之 訳〉 - 2006年12月刊行
- - 世界周航記 下(フォルスター) 〈服部典之 訳〉 - 2007年6月刊行
- - 太平洋周航記 上(ラペルーズ) 〈佐藤淳二 訳〉 - 2006年8月刊行
- - 太平洋周航記 下(ラペルーズ) 〈佐藤淳二 訳〉 - 2006年10月刊行
- - 新しい世界への旅立ち(別巻) 〈石原保徳・原田範行 訳〉 - 2006年4月刊行
各巻は、当時の探検家たちの視点から描写された豊かな航海の中で得られた知識や経験が記録されています。これにより、読者は彼らの冒険がどのように展開されたのかを覗き見ることができます。特に、航海の途中に遭遇した様々な自然環境や文化との出会いは、当時の未知の世界に対する人々の興味を引き立てます。
シリーズの意義
シリーズの編纂にあたっては、編集者石原保徳による「問い直される発見航海者の眼差し」と題した構想が述べられ、探検や発見の価値が再考されています。これにより、当時の航海者たちが抱いていた視点や感情に新たな光が当てられています。
関連資料
本シリーズは、「大航海時代
叢書」「17・
18世紀大旅行記
叢書」「ユートピア旅行記
叢書」など、同時期の重要な文献とリンクを持ち、包括的に当時の探検や冒険の文学を理解する手助けを提供しています。
興味のある方は、
岩波書店の公式出版情報をご覧いただくことをお勧めします。