シルエット・ロマンス

シルエット・ロマンス

「シルエット・ロマンス」（Silhouette Romance）は、恋愛小説を中心とした新書のレーベルとその歌を指します。このレーベルは、1981年9月にサンリオが米国シルエット社との契約により設立され、主に恋愛小説の刊行を行っていました。流行していたハーレクイン・ロマンスへの対抗策としての試みで、多くの読者に親しまれました。レーベルでは、同じく恋愛をテーマにした漫画化も行う「サンリオロマンスコミックス」として展開され、多様な作品が発表されました。しかし、1985年に版権がハーレクインに譲渡され、その後2006年には休刊となりました。レーベルの専属作家は、ハーレクイン・イマージュレーベルに移籍しています。

楽曲としての「シルエット・ロマンス」

このレーベルのイメージソング「シルエット・ロマンス」は、1981年11月25日にリリースされました。作詞は来生えつこ、作曲は来生たかお、そして大橋純子が歌唱を担当しました。楽曲の編曲は当初大野雄二が承諾していましたが、彼の多忙から別のアレンジャーである鈴木宏昌が起用されることとなりました。

特に印象的なのは、和歌山毒物カレー事件で逮捕された林眞須美が2006年に著書「死刑判決は『シルエット・ロマンス』を聴きながら」を出版したことです。彼女の子供たちがラジオで「ママの大好きな曲」としてこの曲をリクエストし、林がその音楽を聴いて涙を流したことがタイトルの由来と言われています。この話は、来生たかおが2009年のコンサートでも触れ、「シルエット・ロマンス」を歌唱しました。

また、2003年にリリースされたアルバム『June』には、同じ作詞・作曲陣による「二人のアフタヌーン」というアンサーソングが収録され、初掲載から22年後の物語が展開されています。

受賞経歴とチャート成績

「シルエット・ロマンス」は、1982年に開催された第24回日本レコード大賞で最優秀歌唱賞を受賞しました。このとき、北島三郎と田中邦衛が特別ゲストとして駆けつけ、祝福の場が設けられました。もともと販売開始時は芳しくなかったものの、1982年に入ると徐々に人気が上昇し、オリコンで最高7位を記録しました。最終的には累計売上は48万枚から55万枚に達しており、TBSの音楽番組『ザ・ベストテン』においても1978年の「たそがれマイ・ラブ」以来4年ぶりのランクインを果たしました。

収録曲

• - シルエット・ロマンス

作詞：来生えつこ, 作曲：来生たかお, 編曲：鈴木宏昌

• - 過ぎてきた河

作詞：伊藤アキラ, 作曲・編曲：樋口康雄
フジテレビ系ドラマ『嫁がず、出もどり、小姑』の主題歌

このように、「シルエット・ロマンス」は恋愛小説の世界と音楽の融合を見事に示した作品で、多くの人々の心に深く刻まれています。

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