シルヴァーホーク (競走馬)

シルヴァーホーク：競走馬から伝説の種牡馬へ

シルヴァーホークは、アメリカ合衆国で生まれ、イギリスで競走馬としてのキャリアをスタートさせました。華々しいデビューを飾り、若駒ながら将来を期待されたものの、クラシック競走ではダービーステークス3着、アイリッシュダービー2着と、勝利には届きませんでした。怪我のため、現役生活は比較的短く幕を閉じました。しかし、彼の真価は引退後、種牡馬として開花することになります。

輝かざる現役時代

1981年、2歳でデビューしたシルヴァーホークは、初戦を快勝で飾ると、ロイヤルロッジステークス（G2）で2着と好成績を残しました。翌年にはクレイヴァンステークス（G3）を制覇し、イギリスクラシック三冠への挑戦権を得ます。2000ギニーでは26頭中5着と健闘しましたが、ダービーステークスでは3着、続くアイリッシュダービーでもアサートに8馬身差をつけられ2着に終わりました。その後、怪我のため、残念ながら現役を引退することとなりました。

種牡馬としての成功

競走馬としては潜在能力を遺憾なく発揮しきれなかったシルヴァーホークでしたが、1983年に種牡馬として新たな道を歩み始めます。すると、彼の血を受け継いだ産駒たちが、父に代わって数々の栄光を掴み始めました。

多くの産駒は、シルヴァーホークと同様に中長距離を得意とし、特に晩成型の馬が多く、4歳になってからG1競走を制覇する馬もいました。その代表格が、日本を代表する名馬グラスワンダーです。

グラスワンダーとその兄弟たち

シルヴァーホークの産駒は日本、そして世界中で活躍しました。日本調教馬では、グラスワンダー（朝日杯3歳ステークス、有馬記念、宝塚記念などG1を複数制覇）、トキオワイルド（京都ジャンプステークス）、ミラクルタイム（毎日杯、京都4歳特別）、シルヴァコクピット（きさらぎ賞、毎日杯）、シンコウカリド（セントライト記念）などが活躍しました。

海外でも、Lady in Silver（ディアヌ賞）、Hawkster（ノーフォークステークス、セクレタリアトステークス、オークツリー招待H）、Silver Ending（ペガサスハンデ）、Red Bishop（サンフアンカピストラーノハンデ）、Magnificent Star（ヨークシャーオークス）、Zoonaqua（オークリーフステークス）、Hawk Attack（セクレタリアトステークス）、Devil River Peek（ヴィトリオディカプア賞）、Memories of Silver（クイーンエリザベス2世チャレンジカップステークス、ビヴァリーディーステークス）、Benny the Dip（ダービーステークス）、Mutafaweq（セントレジャー、ドイツ賞、カナディアン国際S、コロネーションカップ）、Wonder Again（ガーデンシティブリーダーズカップハンデ、ダイアナステークス）、Nashoba's Key（ヴァニティ招待ハンデキャップ、イエローリボンステークス、サンタマルガリータ招待ハンデキャップ）、Germance（サンタラリ賞）など、多くのG1競走優勝馬を輩出しました。

さらに、母の父としても、ブラックホーク（スプリンターズステークス、安田記念など）、ピンクカメオ（NHKマイルカップ）、トウカイトリック（ダイヤモンドステークス、阪神大賞典、ステイヤーズステークス）、トーホウシャイン（マーメイドステークス）、ダブルウェッジ（アーリントンカップ）、ストークアンドレイ（函館2歳ステークス）、ビービーバーレル（フェアリーステークス）、メートルダール（中日新聞杯）、シルバーステートなど、数多くの活躍馬を生み出しました。海外でもTicker Tape、Playful Act、Nathaniel、Winter Memories、Seville、Great Heavensなど、G1競走を制した産駒が数多く存在します。

血統と晩年

シルヴァーホークの母Gris Vitesseは、ジャックルマロワ賞優勝馬。母の父Amerigoは49戦14勝の活躍馬で、2代母と3代母はノネット賞を親子で制覇するなど、優れた血統背景を持っていました。

2003年に種牡馬を引退したシルヴァーホークは、エアドリースタッドで余生を送り、2008年6月5日、老衰のため安楽死となりました。その遺体はエアドリースタッドに埋葬されています。

競走馬としての栄光は掴めなかったものの、種牡馬として類まれな成功を収め、多くの名馬を世に送り出したシルヴァーホーク。その偉業は、現代競馬史に燦然と輝き続けています。

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