シロハラクイナ

シロハラクイナ（白腹水鶏）

シロハラクイナ（学名：Amaurornis phoenicurus）は、ツル目クイナ科に属する鳥の一種です。この鳥は、インドから東南アジア、中国南部にかけての地域で留鳥として定住しています。日本においては、主に沖縄県で見られる他、偶に本土でも観察されることがあります。

分布

シロハラクイナは、日本では沖縄が主な生息地ですが、鹿児島県や高知県でも確認されていることが報告されています。特に鹿児島では、1981年に成長した1羽が確認され、その後の1982年には2番目の個体が4羽観察され、ヒナも複数確認されています。また、高知県では1983年にオスの個体が記録されています。これらの記録から、この鳥の分布が徐々に北上していることが示唆されています。

形態

シロハラクイナは全長約32cmで、成鳥は非常に特徴的な外観を持っています。額から顔、腹にかけての部分が白色で際立っています。一方、頭頂部から体の上面は光沢のある褐色味がかった黒色です。下尾筒は茶色をしており、嘴は黄色で基部が赤いことが特徴です。幼鳥の羽色は大人のものとは異なり、上面は褐色味が強く、光沢はありません。

生態

シロハラクイナは多様な生息環境に適応しており、河川、湿地、水田、マングローブ林などで見かけることが多いですが、時に山間部の草地でも観察されることがあります。繁殖期にはつがいを形成し、縄張りを持つ傾向があります。他の個体が進入すると、「クォ　クォ」と鳴きながら威嚇し、頭を前に伸ばして追い払う行動が見られます。

繁殖期の巣作りは主に低木や丈の高い草の上で行い、皿状の巣には枯れ草を使います。そして、4〜8個の卵を産むことが一般的です。沖縄における繁殖期は比較的長く、2月から10月まで続くことがあります。さらに、同じ個体が1年に3回繁殖をすることも観察されています。

脚注

本記事の内容は、以下の参考資料に基づいています。

• - 真木広造他 『日本の野鳥590』 平凡社
• - 高野伸二他 『山渓カラーガイド 日本の野鳥』 山と渓谷社

関連項目

• - 日本の野鳥一覧

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