シロハラミズナギドリ

シロハラミズナギドリ（白腹水薙鳥）

シロハラミズナギドリ（Pterodroma hypoleuca）は、ミズナギドリ目に属し、北太平洋西部に分布する海鳥です。この鳥は、その名の通り、特に白い腹部が特徴的で、全長は約30センチ、翼を広げると63センチから71センチに達します。これらの特徴により、他の同類の海鳥と一目で区別することができます。

分布と繁殖

シロハラミズナギドリは、夏季にはマーシャル諸島やマリアナ諸島周辺、またオホーツク海など北太平洋西部に移動し、冬季にハワイ諸島で繁殖します。そして、日本の北硫黄島、聟島、南硫黄島での繁殖活動も確認されており、これらの島々に飛来します。

外見の特徴

この鳥の羽毛は、下部が白く、上部は灰褐色で覆われています。頭部は黒く、額部分には白い羽毛が見られます。尾羽は暗褐色で、翼の上面も灰褐色です。飛行中には、翼に不明瞭な黒褐色の「M」字状の斑紋が見られることが特徴です。また、翼の下側は白色ですが、風切羽の下側は黒いです。翼角部分には、黒い筋模様や斑点があり、見た目にも美しい外観を持っています。さらに、嘴は黒く、後肢はピンク色です。

生態と食性

シロハラミズナギドリは、主に海洋に生息します。食性は動物性であり、魚類や軟体動物を主に捕食します。繁殖の際には、斜面にある森林や草原に約100センチの横穴を掘り、そこに卵を産みます。産卵期は10月から翌年の2月にかけてで、1回に1個の卵を産む習性があります。

影響と保全状況

2011年に発生した東北地方太平洋沖地震による津波は、多くの海鳥に甚大な影響を与えました。シロハラミズナギドリもその影響を受けたと推測されていますが、巣作りが難しいために具体的な被害数の把握は困難です。専門家たちは、数千羽のこの鳥が死亡した可能性があると考えています。

この鳥の保全状況は「情報不足」とされており、環境省のレッドリストでの評価も行われていません。シロハラミズナギドリの生息地や繁殖地の保護が急務であり、その生態系における重要性を再認識する必要があります。

終わりに

シロハラミズナギドリは、北太平洋の特異な生態系を形成する重要な一員です。その美しい姿や習性は、我々に自然の素晴らしさを教えてくれます。今後もその保全に向けて、さらなる研究や保護活動が進められることを願っています。

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