シロフォン

シロフォン（木琴）について

シロフォン（Xylophone）は、木製の音板を鍵盤のように並べた打[[楽器]]で、木琴の一種です。楽器名に用いられる「Xylo-」は、ギリシャ語で「木」を意味する接頭辞に由来します。日本では一般的に、コンサート用シロフォンを指すことが多いです。

構造と特徴

シロフォンは、音板をピアノの鍵盤のように配列した体鳴楽器です。同じ木琴の仲間であるマリンバと比較すると、より高く硬質な音色が特徴です。音板には、ローズウッド、紫檀、カリンなどの硬い木材が用いられ、共鳴管が取り付けられています。近年では、繊維強化プラスチック（FRP）を使用した音板も登場しています。

コンサート用シロフォンの音域は、一般的に中央ハの4度上のヘ（F）から3オクターブ半ですが、メーカーによっては4オクターブのモデルも製造しています。楽譜上では、実際の音より1オクターブ低く記譜される移高楽器です。

演奏方法

シロフォンは、マレット（枹・ばち）で音板を叩いて演奏します。マレットの打部には、木、ゴム、プラスチックなどが用いられ、材質によって音色を変化させることができます。毛糸巻きのマレットを使用すると、柔らかい音色が得られます。通常は2本のマレットを使用しますが、マリンバのように4本以上のマレットを用いることも可能です。

近年では、さらに音域を広げた4オクターブ半のシロフォンも試作されており、その可能性は広がっています。

各国語での名称

英語: xylophone（ザイラフォウン）[ˈzaɪləˌfoʊn]
ドイツ語: Xylophon（クシュロフォーン）[ˌksyloˈfoːn]
フランス語: xylophone（グジロフォヌ、クシロフォヌ）[gzilɔfɔn, ksilɔfɔn]
イタリア語: xilofono, silofono（クシローフォノ、シローフォノ）[ksiˈlɔ.fo.no, siˈlɔ.fo.no]
スペイン語: xilófono, xilofón（シロフォノ、シロフォン）[siˈlofono, siloˈfon]

譜面上の略記

シロフォンの楽譜では、以下のような略記が用いられます。

Xylo.
Xyl.
Xyloph.

シロフォンが印象的な作品

シロフォンは、オーケストラや室内楽、現代音楽など、幅広いジャンルの楽曲で活躍しています。以下はその代表例です。

サン＝サーンス：『死の舞踏』、『動物の謝肉祭』より「化石」
バルトーク：『弦[[楽器]]と打[[楽器]]とチェレスタのための音楽』
ハチャトゥリアン：バレエ音楽『ガイーヌ』より「剣の舞」
カバレフスキー：組曲『道化師』より「ギャロップ」
黛敏郎：『木琴小協奏曲』
すぎやまこういち：『空飛ぶベッド』

著名なシロフォン奏者

シロフォンの演奏家として、以下のような人々が知られています。

マイケル・ジョセフ・グシコフ
ジョージ・ハミルトン・グリーン
レッド・ノルボ
テディ・ブラウン
平岡養一（日本の木琴界の創始者の一人）
朝吹英一
岩井貞雄（上海で活躍した）
通崎睦美（平岡養一の使用していた木琴で演奏）
飯野晶子
ボブ・ベッカー

主なメーカー

シロフォンを製造している主なメーカーは以下の通りです。

プレミア
アダムス
スタジオ49
ヤマハ
コオロギ
サイトウ
マッサー
マレテック
ヴァンコレ
ベルジュロー
コー・パーカッション

関連情報

Xylophone History
The Gyil
Bernard Woma, noted gyil player and teacher
KOGIRI CLUB - ウェイバックマシン
Center for Traditional Music and Dance
* Representations of the mbila in Mukondeni Art Gallery, South Africa

シロフォンは、その独特の音色と演奏表現の幅広さから、様々な音楽で重要な役割を果たしています。今後も、その魅力は多くの人々に愛され続けるでしょう。

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