ジェイソン・ジョンソン

ジェイソン・ジョンソン：苦難を乗り越えた本格派右腕

ジェイソン・マイケル・ジョンソン（Jason Michael Johnson）は、1973年10月27日、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンタバーバラに生まれました。1990年代後半から2000年代にかけて、メジャーリーグベースボール（MLB）と日本プロ野球（NPB）で活躍した元プロ野球選手（投手）です。

MLBでのキャリア

コナー高校卒業後の1992年、ピッツバーグ・パイレーツと契約しプロとしてのキャリアをスタートさせました。1997年8月27日、対ロサンゼルス・ドジャース戦でMLBデビュー。同年11月18日には、拡張ドラフトでタンパベイ・デビルレイズへ移籍しました。1998年4月23日の対テキサス・レンジャーズ戦で先発として登板し、MLB初勝利を記録しました。

その後、1999年から2003年まではボルチモア・オリオールズ、2004年から2005年まではデトロイト・タイガースでプレー。2006年には、クリーブランド・インディアンス、ボストン・レッドソックス、シンシナティ・レッズとチームを転々としました。MLB通算成績は55勝98敗、防御率4.99という記録を残しています。

西武ライオンズでの挑戦

MLBでの実績を引っ提げ、2007年1月12日にNPBの西武ライオンズと推定年俸3億5,000万円で契約しました。松坂大輔投手の抜けた穴を埋める存在として期待されました。しかし、開幕直後の4月上旬に右ひじ靭帯痛のため一時帰国。5月25日に再来日し、セ・パ交流戦で2か月ぶりのマウンドに上がりました。その後は先発ローテーションの一角として登板し、7月11日の対千葉ロッテマリーンズ戦で来日初勝利を挙げました。しかし、7試合に登板し、1勝4敗、防御率4.35と期待されたほどの成績は残せず、10月に戦力外通告を受けました。

その後

2008年にはロサンゼルス・ドジャースとマイナー契約を結び、再びMLBの舞台へ。2009年にはニューヨーク・ヤンキースとマイナー契約を結びましたが、メジャー昇格は叶わず、同年8月6日に契約解除となりました。2011年にはアメリカ独立リーグのアトランティックリーグに加盟するカムデン・リバーシャークスに入団しましたが、同年内に退団。2013年には、アメリカ独立リーグのアメリカン・アソシエーションに加盟するアマリロ・ソックスに入団しました。

プレースタイルと人物

ジェイソン・ジョンソンの愛称は、イニシャルレターから「JJ（ジェージェー）」と呼ばれていました。198cmの長身から投げ下ろす150km/h前後のストレートと、ナックルカーブ、スライダー、チェンジアップなど多彩な変化球を武器とする本格派右腕でした。

特筆すべきは、彼が11歳の時に1型糖尿病を発病し、以来糖尿病と闘いながらプロ野球選手として活躍したことです。インスリンの注射針をマウンドに持っていくこともありましたが、2002年からは腰のベルトにインスリンポンプを装着し、24時間自動でインスリンの調節を行っていました。このスタイルはMLB時代から続けており、NPBでも審判団の許可を得ていました。

糖尿病と闘いながら第一線でプレーする姿は、多くの人々に勇気と希望を与えました。MLB時代の2001年には、困難を乗り越えて活躍した選手に贈られる「トニー・コニグリアロ賞」を受賞しています。

プレー中には、ピッチャーライナーが腰に当たり、インスリンの注射針が外れてしまうというアクシデントや、西武在籍時の練習中に血糖値が急激に下がり倒れてしまうということもありました。しかし、チームメイトの助けもあり、無事に乗り越えています。

ジェイソン・ジョンソンは、その野球の実力だけでなく、病と闘いながらも諦めずにプレーする姿で、多くの人々に感動を与えた選手でした。

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