ジェイムズ・H・シュミッツ

ジェイムズ・H・シュミッツ - 作家略歴

ジェイムズ・H・シュミッツ（James Henry Schmitz）は、アメリカの瞭視的なSF作家です。1911年10月15日にドイツ・ハンブルクで誕生し、アメリカに移住するまで少年期をドイツで過ごしました。シュミッツは、10代のころに著名なSF作家フリードリッヒ・ヴィルヘルム・メイダーの影響を受け、早くもサイエンスフィクションの魅力に引き込まれていきました。

1930年、シュミッツはアメリカに渡り、シカゴの職業学校に入学しますが、世界的な経済不況の影響で就職できず、ドイツに戻り父親の会社で働くことになります。彼はドイツに戻った後に創作活動を始めましたが、ナチスの台頭により不安定な情勢の中、1938年に再びアメリカに渡ります。第二次世界大戦中はアメリカ空軍の航空写真士として従事し、その合間に短編「緑の顔」を執筆しました。この作品は1943年にジョン・W・キャンベル編集のファンタジー誌『アンノウン』に掲載され、作家としてのキャリアをスタートさせました。

1949年には、同じくキャンベルが関わる『アスタウンディング』誌に短編「ヴェガよりの使者」を発表し、これが彼のSFデビュー作となります。戦後、シュミッツはキャンピングトラクターのセールスをしながら執筆を続けました。1957年に結婚後、1959年には仕事を辞めて全力で創作活動に取り組むようになります。

1960年代には、彼の作品が評価されるようになり、「安定した生態系」（1965年）はネビュラ賞候補に、続いて「惑星カレスの魔女」（1966年）はヒューゴー賞候補として注目されました。そして1973年にリトル・インヴィジブル・マン賞を受賞しました。シュミッツは作家としての活動を続けつつ、1974年には最後の著作となる短編「不死性の霊気」を発表します。

1981年4月18日に、充血性肺疾患により69歳で他界しました。彼の作品群はサイエンスフィクションの中で独特の位置を占め、多くの読者に影響を与えました。彼の著作は、特にユーモアや独自の世界観で知られており、今もなお多くのファンに親しまれています。

著作リスト

シュミッツの作品には多くの長編小説や短編作品があります。特に著名なものには、以下があります。

長編

• - A Tale of Two Clocks（1962年） - 別題：Legacy
• - The Witches of Karres（1966年） - ヒューゴー賞候補
• - The Demon Breed（1968年）
• - The Eternal Frontiers（1973年）

短編

• - Greenface（1943年）
• - Agent of Vega（1949年）
• - The Illusionists（1960年）
• - Balanced Ecology（1965年） - ネビュラ賞候補

彼の作品は多くのコレクションに収められ、後世にわたり読み継がれています。特に『ヴェガよりの使者』や『テルジーの冒険』は、彼の代表作として広く認識されています。シュミッツの作品は、サイエンスフィクション小説の歴史において重要な役割を果たし、多くのファンに愛され続けています。

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