ジェイ・アールはこだて開発

ジェイ・アールはこだて開発株式会社は、かつて北海道函館市に存在したJR北海道グループの企業です。1986年12月24日に「はこだて開発株式会社」として設立され、翌1987年4月1日から営業を開始しました。設立の背景には、同日に実施された国鉄の分割・民営化があります。同社は、それまで青函船舶鉄道管理局が担っていた物資部の業務を引き継ぐ形で発足しました。主にJR北海道の函館支社管内において、鉄道駅に関する業務や関連施設の運営、地域物販など、多角的な事業を展開しました。しかし、設立から約28年後の2014年10月1日、同じJR北海道グループである北海道キヨスク株式会社に吸収合併され、法人格は消滅しました。

事業内容

ジェイ・アールはこだて開発の事業は広範囲に及びました。

駅業務受託: JR北海道函館支社管内の一部の駅において、駅運営の一部を受託。桔梗駅（桔梗営業所）、大沼公園駅（大沼公園営業所）などでサービスを提供しました。

施設運営: 駅や地域の関連施設運営も担いました。函館駅新駅舎内の商業施設「ピアポ」の運営に関与。また、2007年10月1日には、北海道企画開発の解散に伴い、大沼地区の温泉施設「流山温泉」や宿泊施設「クロフォード・イン・大沼」の運営事業を引き継ぎ、観光リゾート事業にも進出しました。

売店営業: 大沼公園駅構内で売店を営業し、土産品や飲食物などを販売。

駅弁製造・販売: 同社の特筆すべき事業は、函館駅で販売される駅弁の製造・販売です。この事業は、かつて駅弁を提供していた日本食堂函館営業所（その後のにっしょく北海道函館営業所）から引き継がれたもの。さらに、2012年1月15日には、みかど株式会社函館営業所の廃業に伴い、その駅弁事業を譲受しました。事業譲受の際、みかどの駅弁ブランド名「漁り火」は「函館みかど」へと変更されました。これにより、函館の食材を活かした伝統的な駅弁の製造・販売を継続し、地域に親しまれました。

沿革

ジェイ・アールはこだて開発の主な歩みは以下の通りです。

1986年12月24日: 「はこだて開発株式会社」として設立。
1987年4月1日: 営業開始。
2003年6月21日: 函館駅新駅舎「ピアポ」オープン。運営に関与。
2005年7月1日: 「ジェイ・アールはこだて開発株式会社」に社名変更。
2007年10月1日: 北海道企画開発解散に伴い、流山温泉およびクロフォード・イン・大沼の運営事業を受託。
2012年1月15日: みかど株式会社函館営業所の駅弁事業を譲受。
* 2014年10月1日: 北海道キヨスク株式会社に吸収合併され、法人格消滅。

ジェイ・アールはこだて開発株式会社は、国鉄民営化の流れで誕生し、JR北海道グループとして函館地域を中心に多様な事業を展開しました。駅業務、施設運営、駅弁事業などを通じて、鉄道サービスと地域貢献に尽力しましたが、グループ再編によりその役割を終えました。その担っていた機能の一部は、吸収合併先の北海道キヨスクなどに引き継がれ、現在もサービス提供に活かされています。

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