桔梗駅

駅概要

桔梗駅は、北海道函館市桔梗3丁目に所在する北海道旅客鉄道（JR北海道）函館本線の鉄道駅です。駅番号はH73が付与されており、電報略号はキケが使用されています。かつては快速「アイリス」の停車駅として、利用客の利便性を高めていました。

駅名の由来

駅名は、所在地の地名である「桔梗」に由来しています。古くはこの駅周辺一帯にキキョウの花が群生しており、地域住民から「桔梗野」と呼ばれていました。この「桔梗野」が明治4年（1872年）に村名となり、それがやがて駅名として採用されたと伝えられています。

歴史

桔梗駅の歴史は、明治35年（1902年）12月10日に始まりました。この日、北海道鉄道が現在の函館本線の一部となる区間を開業させた際に、旅客と貨物を取り扱う一般駅として設置されました。

明治40年（1907年）7月1日には、北海道鉄道の国有化に伴い、国の管理する鉄道の駅となります。さらに明治42年（1909年）10月12日には、国有鉄道の線路名称が制定され、正式に函館本線の駅となりました。

輸送力増強のため、線路の複線化が進められました。昭和19年（1944年）9月30日には五稜郭駅から当駅までの区間が、そして昭和37年（1962年）9月4日には当駅から七飯駅までの区間がそれぞれ複線化され、列車運行の効率が向上しました。

時代の変化と共に、鉄道貨物・荷物輸送の形態も変わり、当駅での取扱業務は縮小されていきます。昭和47年（1972年）3月15日には貨物扱いが廃止され、昭和59年（1984年）2月1日には荷物扱いも終了し、旅客専業駅となりました。

駅施設の改良も進められました。昭和51年（1976年）11月23日には跨線橋が設置され、利用者のホーム間の移動が安全かつ便利になりました。同年12月10日には、開業75周年を記念して駅前に記念碑が建立されています。この碑は、青函トンネルの早期完成を願い、日本鉄道建設公団から購入した凝灰岩とD51形蒸気機関車の動輪を組み合わせて作られたものです。

地域に根差した活動も行われており、昭和56年（1981年）11月26日には全国花いっぱいコンクールで優秀賞を受賞しました。同年12月10日に発売された開業80周年記念入場券は、限定5000枚がわずか3日で完売するほど好評を博しました。

昭和62年（1987年）4月1日、国鉄の分割民営化に伴い、北海道旅客鉄道（JR北海道）の駅として新たなスタートを切ります。平成元年（1989年）12月29日には駅舎が改築され、利用環境が改善されました。

平成10年（1998年）4月1日からは駅業務が外部に委託される業務委託駅となり、当初はジェイ・アールはこだて開発が、法人吸収合併後は北海道ジェイ・アール・サービスネットが受託しました。平成19年（2007年）10月1日には、JR北海道で導入された駅ナンバリングにより「H73」の番号が付与されました。

平成28年（2016年）3月26日には北海道新幹線の開業に伴い、当駅を含む五稜郭駅から新函館北斗駅間の函館本線が交流電化され、電化区間となりました。

令和6年（2024年）3月15日をもって、みどりの窓口の営業が終了しました。そして翌日の3月16日からは終日無人駅となりましたが、同時にICカード「Kitaca」が利用可能となり、キャッシュレスでの乗車に対応しています。

駅構造

桔梗駅は、2本の線路に面してそれぞれホームが設けられている、相対式ホーム2面2線を有する地上駅です。この駅を含む区間は複線となっています。駅舎側が1番線、反対側が2番線です。

各ホームは、駅舎の北側に位置する跨線橋によって連絡されています。この跨線橋を利用して安全にホーム間を移動できます。本線の隣には、主に雪かき用の車両など特殊な車両を留置しておくための側線が1線設けられています。

現在は五稜郭駅が管理する無人駅として運営されています。無人化される前は、前述の通り業務委託駅であり、きっぷうりばとしてみどりの窓口も設置されていました。

かつては、現在のシンプルな配線とは異なり、旅客用のホームに加え、貨物扱いが盛んだった頃の名残として複雑な構造を有していました。単式ホームと、片側は乗降ができない島式ホームを組み合わせた2面2線に加え、中央に線路が一本通っていました。この中央の線路や、乗降不可の島式ホーム側の線路は、上り・下り貨物列車の待避線として使用されていました。他にも、本線から駅舎側への側線や、本線間を繋ぐ渡り線なども複数あり、貨物輸送の拠点としての機能を持っていた時代の規模の大きさを偲ばせます。

利用状況

（利用状況の詳細はデータが示されていないため、一般的な記述に留めます。）

駅周辺

桔梗駅周辺は、住宅地が広がる中に生活関連施設が点在しています。交通の要衝ともなっており、函館インターチェンジや函館ジャンクションが近くに位置し、函館新道、函館江差自動車道、函館新外環状道路へのアクセスが可能です。

駅のすぐ近くを走る国道5号線は、当駅付近から七飯駅にかけて美しい赤松の並木が続く「赤松街道」として知られており、四季折々の景観を楽しめます。

その他、周辺には函館桔梗郵便局、渡島信用金庫赤松街道支店、北洋銀行桔梗支店といった金融機関や、函館市亀田農業協同組合（JA函館市亀田）桔梗支店があります。日々の買い物に便利なコープさっぽろ桔梗店やファッションセンターしまむら桔梗店などの商業施設、飲食店として大阪王将函館桔梗店なども立地しています。また、函館バスの「桔梗」停留所が近くにあり、バス路線への乗り換えも可能です。

その他

台湾出身の女性歌手グループ、S.H.Eが2004年にリリースした楽曲「他還是不懂（彼はまだ分からない）」のプロモーションビデオ撮影地の一つとして、桔梗駅やその周辺が使用されています。

隣の駅

北海道旅客鉄道（JR北海道）
■函館本線

五稜郭駅 (H74) - 桔梗駅 (H73) - 大中山駅 (H72)

関連項目

日本の鉄道駅一覧
桔梗｜駅の情報検索（時刻表・バリアフリー）｜鉄道・きっぷ｜JR 北海道

もう一度検索