ジェクテルデミット・グラグチャ

ジェクテルデミット・グラグチャは、1947年12月5日にモンゴルのグルワンブラグで生を受けた人物です。彼は、歴史上、モンゴル人として初めて宇宙空間への旅を実現した宇宙飛行士であり、アジア出身の人物としても二人目の快挙を成し遂げたことで知られています。宇宙での輝かしい功績の後、2000年から2004年にかけてモンゴル国の国防大臣を務めるなど、国の要職を歴任しました。

若い頃、彼は首都ウランバートルで学び、航空宇宙技術者としての道を歩み始めました。その後、モンゴル空軍に入隊し、その能力と功績により少将にまで昇格しました。

宇宙への扉が開かれたのは1978年3月1日のことです。彼は、ソビエト連邦が友好国と共同で行っていたインターコスモス計画の宇宙飛行士に選ばれました。数年間の厳しい訓練を経て、1981年3月22日、カザフスタンにあるバイコヌール宇宙基地から、ソビエト人宇宙飛行士ウラジーミル・ジャニベコフと共にソユーズ39号に搭乗し、宇宙へと打ち上げられました。

宇宙船ソユーズ39号は、当時軌道上にあった宇宙ステーション「サリュート6号」とのドッキングに成功しました。グラグチャは、この宇宙ステーションに滞在し、地球科学に関する多岐にわたる実験任務を遂行しました。宇宙でのミッションは、7日と20時間42分に及び、この間に彼は地球の周りを124周回しました。ミッションを終えたソユーズ39号は、カザフスタンのジェズカズガン南東約170キロメートルの地点に無事着陸しました。

この歴史的な宇宙飛行の功績をたたえ、グラグチャは1981年にソビエト連邦英雄の称号を授与されました。モンゴルの首都ウランバートルにあるザイサン記念碑には、彼の偉業を記念する壁画が描かれており、多くの人々にその功績が伝えられています。

宇宙飛行士としてのキャリアを終えた後も、彼はモンゴルの防空軍の首席司令官を務めるなど、国防分野での貢献を続けました。そして、最終的には国の国防を司る大臣の任に就き、モンゴルの発展に尽力しました。グラグチャの人生は、技術者、軍人、宇宙飛行士、そして政治家という多岐にわたる顔を持ち、モンゴルの宇宙開発と国防の歴史に深く刻まれています。

もう一度検索