ジェシナ

ジェシナ：パリ不動産市場をリードする企業

ジェシナ(Gecina)は、フランスのパリに本社を置く大規模な不動産投資信託(REIT)です。同社は、パリ首都圏におけるオフィスビルや住宅の賃貸を主な事業として展開しており、ユーロネクスト・パリにも上場しています(Euronext: GFC)。

ジェシナの歩み：戦後復興から業界再編へ

ジェシナの歴史は、第二次世界大戦後のフランスの復興期に遡ります。戦後のベビーブームによる人口増加を受け、フランス政府はパリ地域の住宅開発促進政策を推進。この政策を受けて、数多くの不動産会社が設立されました。ジェシナも、1959年1月、Groupement pour le Financement de la Construction (GFC)という名称で設立された企業の一つです。

その後、ジェシナは複数の企業との合併や買収を繰り返し、事業規模を拡大していきました。1990年代前半には不動産市場の不況に見舞われましたが、これを乗り越え、1997年にはFoncina、1998年にはUnion Immobilier de FrancとLa Foncière Vendôme、1999年にはSefimeg、2003年にはSimcoといった企業を買収。これらの買収を通じて、パリ地域における主要な不動産企業へと成長を遂げました。1998年にはGFCとFoncinaが合併し、社名を現在のジェシナに変更しています。2017年には、同業のEurosic社の株式の大部分を獲得し、更なる事業拡大を図りました。

事業内容：オフィスビル賃貸が中心

設立当初は住宅賃貸が中心事業でしたが、1993年に商業用不動産への進出を開始。現在では、事業収益の約8割をオフィスビル賃貸が占めています。保有する不動産のほとんどはパリ市内とその周辺地域に集中しており、特にパリ中心部やラ・デファンス地区の高層ビルにおいて多くのオフィスビルを保有・賃貸しています。一方、リヨンなど地方都市での不動産保有は限定的です。

株主：多様な投資家からの支持

ジェシナの株主構成は多様性を特徴としています。創業以来、長年にわたって関係を維持しているクレディ・アグリコルに加え、2015年以降はカナダのIvanhoé Cambridgeやノルウェー中央銀行などの機関投資家の出資比率が高まっています。これら多様な投資家からの支持が、ジェシナの安定的な成長を支えていると言えるでしょう。

ジェシナの現在と未来

ジェシナは、パリの不動産市場において重要な役割を果たす企業へと成長しました。今後も、パリ首都圏における不動産事業に注力しながら、持続可能な発展を目指していくものと予想されます。その動向は、フランス経済のみならず、ヨーロッパの不動産市場全体の動向にも影響を与える可能性があります。パリにおけるオフィス需要の変動や、住宅市場の動向、そして世界的な経済情勢の変化などが、今後のジェシナの事業展開に影響を与える重要なファクターとなるでしょう。

まとめ

ジェシナは、フランスの戦後復興期から今日まで、数々の企業合併や買収、市場環境の変化を乗り越え、パリを代表する不動産企業へと成長しました。その歴史と事業内容、株主構成などを理解することは、フランスの不動産市場や、国際的な不動産投資の動向を理解する上で重要な視点となります。今後、ジェシナがどのような戦略を展開し、パリの都市景観にどのように貢献していくのか、注目すべき点です。

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