ジェマル・パシャ

アフメト・ジェマル・パシャについて

生い立ちと軍歴の始まり

アフメト・ジェマル・パシャ（1872年5月6日生まれ）は、レスボス島のミディッリにて誕生しました。彼は、1890年に陸軍高校を卒業し、その後、オスマン帝国軍に入隊。参謀本部での勤務を経て、1908年の青年トルコ人革命に深く関わるようになります。その結果、彼の軍事行政の指導力が高く評価され、1909年からはアダナ、1911年からはバグダードの知事に任命されました。この時期、彼は「統一と進歩」運動の中でも指導的な役割を果たしました。

政治家としての活動

次第にジェマル・パシャは、エンヴェル・パシャやタラート・パシャと共に三頭政治体制を確立し、オスマン帝国の新たな政治を形作ります。彼は、イスタンブールでの保安機関を指揮し、新たに設立された社会業務省でその評判を確立しました。

バルカン戦争と海軍大臣の就任

1912年から1913年のバルカン戦争において、自らの指揮の下で師団を指揮。この功績によって、1913年には第1軍団長に、さらに同年に海軍大臣にも就任することになります。ジェマル・パシャは、ドイツの軍事顧問を招入し、オスマン帝国海軍の近代化に努めました。当時、海軍は数隻の先進的な艦船を誇り、ドイツからの支援を受けて戦力を増強しました。

第一次世界大戦と対立

1914年、ジェマル・パシャは第一次世界大戦に突入し、エンヴェル・パシャとの対立が生じます。11月18日にはシリア・パレスチナ戦線で第4軍の指揮官に任命され、英軍との接触を持ちます。しかし、戦況は厳しく、ダーダネルス作戦の影響で英軍が戦力を集中させる中、第4軍は逐次圧力を受けていきます。指揮する彼の軍は連合国に対して戦闘を繰り広げましたが、攻勢は次第に縮小しました。

軍の撤退と亡命

1918年10月、エンヴェル・パシャと共にタラート・パシャ政権が崩壊。ジェマル・パシャはトルコを離れ、ドイツやスイスに身を潜めます。新たな政権からは欠席裁判で死刑が言い渡されましたが、彼はその後も生き延びました。1921年にはアフガニスタン国王の軍事顧問として活動を開始します。

最期と遺産

運命は彼をトビリシに導き、1922年7月21日、アルメニア革命連盟の党員による暗殺によって命を落としました。著書には「トルコ国家の発展」や「ジェマル・パシャのメモ」などがあり、彼の生涯や政治的な功績を知る手がかりを提供しています。ジェマル・パシャは、オスマン帝国の激動の歴史に大きな足跡を残した重要な人物の一人であり、その影響は今もなお語り継がれています。

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