ジェンズ

ジェンズ（毽子）とは

ジェンズは、中国大陸とその周辺地域で親しまれている伝統的な羽根蹴りゲームです。中国語では「踢毽（ティージェン）」と呼ばれ、現代中国においては近代的なスポーツとしても発展しています。

名称について

日本ではまだ馴染みが薄いため、固定された日本語名はありませんが、「羽根蹴り」や「蹴羽根（けばね）」などと呼ばれることがあります。ベトナム語では「đá cầu（ダーカウ）」、朝鮮語では「제기차기（チェギチャギ）」と呼ばれています。

歴史

ジェンズの起源は明確ではありませんが、蹴鞠と共通の起源を持つと考えられています。中国では非常に古い歴史を持つとされますが、古い文献の解釈には議論の余地があります。

起源: 蹴鞠と同じ起源を持つ可能性
明代: 「箭子」と呼ばれるものが存在（徐炬『古今事物原始』より）
17世紀: 「毽子」という言葉が登場（劉侗『帝京景物略』より）
近代: 1928年に上海で初の大会、1933年に全国大会が開催
現代: 1963年に小学校の体育教材に採用、1980年代に毽球のルールが整備

ジャッキー・チェン監督・主演の映画『ドラゴンロード』には、ジェンズ大会の様子がアクロバティックに描かれています。

構造

伝統的なジェンズは、穴あき銅銭に革や布を巻き付け、鶏の羽根を付けたものです。羽根は鮮やかな色で装飾されることが多いです。バドミントンのシャトルよりも頑丈で重いのが特徴です。

材質: 穴あき銅銭、革/布、鶏の羽根
特徴: シャトルより頑丈で重い

蹴り方

基本的な蹴り方は、片足を上げて膝を曲げ、靴の内側を上に向けて、かかとの関節部分でジェンズを蹴ります。靴の外側で蹴ることもあります。

毽球（ジェンチウ）

毽球は、ジェンズを競技化したスポーツです。バドミントンに似たコートを使用し、3人1組でネット越しにジェンズを蹴り合います。自陣内では4回まで蹴ることができ、15点を先取したチームが勝利となります。

コート: 幅6.1m、長さ11.88m
ネット: 高さ1.6m（男子）、1.5m（女子）
人数: 3人
ルール: 自陣内4回まで、15点先取で勝利

足を使うため、バドミントンよりもセパタクローに近い競技と言えるでしょう。2000年以降、世界選手権も開催されています。

関連情報

蹴鞠
羽根突き
セパタクロー
中国毽球協会網（中国語）
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