ジェームス・ウィリアム・ランバス

ジェームス・ウィリアム・ランバス（1830年 - 1892年）は、アメリカ合衆国アラバマ州出身の宣教師であり教育者です。彼は、明治時代の日本において、キリスト教の伝道と教育に生涯を捧げました。妻は神戸婦人伝道学校（後のランバス記念伝道女学校、聖和大学の前身）の創立者であるメアリー・イザベラ・ランバス、長男は関西学院の創立者の一人であるウォルター・ラッセル・ランバスという、キリスト教教育に深く関わった家族の一員でした。

ランバスは、ミシシッピ大学で医学と法学を修めた後、南メソジスト教会の宣教師として活動を始めました。1854年には、妻メアリーとともに中国の上海へ渡り、伝道活動に従事しました。上海では長男ウォルターも誕生し、ランバスは上海を中心に中国各地で精力的に伝道活動を展開しました。

1886年、ランバスは息子であるウォルターの勧めを受け、家族と共に日本へ移住します。神戸外国人居留地47番に居を構え、自宅を「読書館」と名付けられた学校として開放し、聖書や英語の講義を行いました。この読書館は、後のパルモア学院専門学校へと発展しました。同年、ランバスは居留地内に神戸美以教会（現在の日本基督教団神戸栄光教会）を建設し、信仰の拠点を築きました。さらに、広島女学校（後の広島女学院大学）の保母師範科（ランバス記念伝道女学校と共に聖和大学の前身）の設立にも尽力しました。

神戸を拠点として、ランバスは広島、岩国、下関、多度津、松山、宇和島、大分など、西日本各地で精力的な伝道活動と教会建設を行いました。彼の熱心な活動は、各地にキリスト教の種を蒔き、その後の発展に大きく貢献しました。

1892年4月28日、ジェームス・ウィリアム・ランバスは神戸外国人居留地47番の自宅で生涯を閉じました。彼の遺体は、神戸市立外国人墓地に埋葬され、その功績は今もなお、日本のキリスト教史に深く刻まれています。

著書
『旧約新約問答』

参考文献
谷口利一『使徒たちよ眠れ 神戸外国人墓地物語』神戸新聞出版センター、1986年。ISBN 978-4875214472。
守部喜雅『日本宣教の夜明け』いのちのことば社、2009年。ISBN 978-4264026389。

関連項目
日本基督教団東梅田教会

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