ジェームズ・モンゴメリー・フラッグ

ジェームズ・モンゴメリー・フラッグ(1877年6月18日 - 1960年5月27日)は、アメリカ合衆国で活躍した画家であり、イラストレーターです。彼は純粋な絵画からカートゥーンまで、多岐にわたるメディアで才能を発揮しましたが、特にポスター作品でその名を知られています。

ニューヨークのペラム・マナーで生まれたフラッグは、幼少の頃から絵を描くことに情熱を注ぎました。12歳という若さで、すでに複数の全国的な雑誌にイラストレーションが掲載されるほどの才能を持っていました。14歳で『ライフ』誌の寄稿アーティストとなり、翌年には『ジャッジ』誌のスタッフとして活躍しました。

1894年から1898年にかけて、彼はアート・スチューデンツ・リーグ・オブ・ニューヨークで美術を学びました。その後、1898年から1900年までの間、ロンドンパリでさらに美術の研鑽を積み、アメリカに帰国しました。帰国後は、書籍や雑誌の表紙、政治・ユーモア漫画、広告、そして一枚絵のスケッチなど、数多くのイラストレーションを制作しました。中でも、『ジャッジ』誌で1903年から1907年まで連載された『ナーヴィー・ナット』(厚かましいナット)は、彼の代表作の一つとして知られています。

フラッグの最も有名な作品は、第一次世界大戦中にアメリカ陸軍への応募を促すために1917年に制作されたポスターです。このポスターには、見る者を指差すアンクル・サムが描かれており、「アメリカ陸軍に君が必要だ」(I Want YOU for U.S. Army)というキャプションが添えられています。このデザインは、同様のポーズをした『キッチナーの募兵ポスター』から着想を得たものでした。このポスターは第一次世界大戦中に400万枚以上印刷され、第二次世界大戦でも再び使用されるほどの人気を博しました。アンクル・サムの顔は、フラッグ自身の顔をモデルにしており、加齢した様子や白い山羊鬚が加えられています。彼は後に、モデルを用意する手間を省くために自分の顔を使ったと語っています。

絶頂期には、フラッグは全米で最も収入の多い雑誌イラストレーターの一人であったとされています。彼の作品は、当時のアメリカ社会に大きな影響を与え、彼のスタイルは多くのイラストレーターに影響を与えました。1946年には、彼は自伝『薔薇とバックショット』を出版し、自身の人生とキャリアを振り返っています。

1960年、フラッグはニューヨーク市で亡くなり、ブロンクス区のウッドローン墓地に埋葬されました。彼の作品は、今日でも多くの人々に愛され、アメリカのイラストレーション史における重要な存在として評価されています。

外部リンク

ジェームズ・モンゴメリー・フラッグのポスター - 北テキサス大学図書館デジタルコレクション
ジェームズ・モンゴメリー・フラッグの1917年 "I Want You" ポスターとその他の作品 (インターネットアーカイブの2004年10月28日版)
JVJ Publishingのイラスト入り本サイト、ジェームズ・モンゴメリー・フラッグ
サイト「アメリカン・アート・アーカイブ」で閲覧できるジェームズ・モンゴメリー・フラッグ作品

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