ジェームズ・ワイアット
ジェームズ・ワイアット（James Wyatt、1968年/1969年頃生まれ）は、アメリカ合衆国のゲームデザイナーであり、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト（WotC）社で長年にわたり活躍してきました。彼の業績は、テーブルトークRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』（D&D）向けのサプリメントやアドベンチャー・シナリオの制作に始まり、『フォーゴトン・レルム』小説版、D&D『ダンジョンマスターズガイド第4版』など多岐にわたります。また、元合同メソジスト教会牧師という異色の経歴も持ち合わせています。
ニューヨーク州イサカで育ったワイアットは、1986年にイサカ高校を卒業。幼少期からロールプレイングゲームに親しみ、最初にプレイしたのは『D&Dベーシックセット』でした。彼は当時を振り返り、「D&Dの本に載っていたモンスターのデータを使って、ウィザードごっこをしていた」と語っています。高校卒業後、オハイオ州のオバーリン大学で宗教学を専攻し、1990年に卒業。1993年にはユニオン神学校で神学修士号を取得し、その後、合同メソジスト教会の牧師として活動を始めました。
牧師としての活動と並行して、ワイアットは余暇を利用して『ドラゴン』誌に記事を寄稿。TSR社の『Masque of the Red Death』キャンペーンに関する素材を手がけたことがきっかけとなり、『ダンジョン』誌へアドベンチャーを投稿するようになります。1996年、彼は自身のキャリアを見つめ直し、「牧師の仕事は人生を消耗させるが、D&Dの仕事は自由と活力の源になっている」と気づき、ゲーム業界への転身を決意しました。同年、TSR社での常勤職を求めてウィスコンシン州へ移住しますが、すぐに雇用されることはなく、フリーランス作家としてゲーム関連の執筆を続けました。ウェスト・エンド・ゲームズ社の『Hercules & Xena Roleplaying Game』などの作品を手がける傍ら、「本当に好きなのはD&Dだけだ」という思いを抱き続け、『ドラゴン』誌や『ダンジョン』誌への寄稿を続けました。
1998年にカリフォルニア州バークレーへ、2000年にはワシントン州シアトル・タコマ地域へ移住。そして2000年1月、ついにウィザーズ・オブ・ザ・コースト社にD&D担当の常勤社員として迎えられました。入社後、『フェイルーンのモンスター』をはじめ、『夢でささやく者』、『Defenders of the Faith』、『フォーゴトン・レルム・キャンペーン・ガイド』のモンスターの章などを担当。また、長らく「準備中」だった『Oriental Adventures』（2001年）を完成させました。その後も、『City of the Spider Queen』、『Magic of Incarnum』、『シャーン：塔の街』、『竜の書：ドラコノミコン』など、数多くのRPG製品を共同執筆。キース・ベイカーの『エベロン・キャンペーン・ガイド』（2004年）では、ビル・スラビセックと共に共同執筆者として参加しました。
2005年初頭、ロブ・ハインソーがD&D第4版の初期デザインチームを編成し、スラビセック、アンディ・コリンズ、ワイアットがメンバーに加わりました。ワイアットはリチャード・ベイカー率いるSCRAMJETチームの一員として、第4版の開発と並行してD&Dの設定と世界観の更新に携わりました。この時期には、『In the Claws of the Tiger』（2006年）、『Storm Dragon』（2007年)、『Dragon Forge』（2008年）、『Dragon War』（2009年）、『Oath of Vigilance』（2011年）といったD&D小説も執筆しています。
2014年、ワイアットはダンジョンズ&ドラゴンズの担当を離れ、『マジック: ザ・ギャザリング』（MTG）の執筆とクリエイティブ制作に携わるようになりました。コーヒー・テーブル・ブックの『Art of Magic: The Gathering』シリーズでは、各プレーンの物語をカードのイラストと共に紹介する文章を担当。さらに、MTGの世界をD&Dでプレイするための無料PDF『プレーンシフト』シリーズを執筆しました。このシリーズは、MTGのコーヒー・テーブル・ブックをキャンペーン設定ガイドとして活用するためのルールをまとめたもので、『アモンケット』、『ドミナリア』、『イニストラード』など、複数のプレーンを舞台にしたものが公開されました。
『プレーンシフト』シリーズの好評を受け、2018年にはD&DでMTGのラヴニカをプレイするためのハードカバー設定ガイド『Guildmasters' Guide to Ravnica』が出版。ワイアットはこの作品のデザイン責任者を務めました。その後も、MTGのテーロスをD&Dでプレイするためのクロスオーバー本『Mythic Odysseys of Theros』（2020年）で共同デザイン責任者を務め、『Van Richten's Guide to Ravenloft』（2021年）でも執筆陣に名を連ねています。
ワイアットは、2003年に『City of the Spider Queen』で、2005年に『エベロン・キャンペーン・ガイド』（ビル・スラビセック、キース・ベイカーとの共著）でオリジンズ賞を受賞。その他、『Oriental Adventures』、『ドラコノミコン』、『Draconic Prophecies』シリーズ、『Magic of Incarnum』など、数多くの著作があります。
学生時代から牧師へ
ニューヨーク州イサカで育ったワイアットは、1986年にイサカ高校を卒業。幼少期からロールプレイングゲームに親しみ、最初にプレイしたのは『D&Dベーシックセット』でした。彼は当時を振り返り、「D&Dの本に載っていたモンスターのデータを使って、ウィザードごっこをしていた」と語っています。高校卒業後、オハイオ州のオバーリン大学で宗教学を専攻し、1990年に卒業。1993年にはユニオン神学校で神学修士号を取得し、その後、合同メソジスト教会の牧師として活動を始めました。
牧師からゲームデザイナーへの転身
牧師としての活動と並行して、ワイアットは余暇を利用して『ドラゴン』誌に記事を寄稿。TSR社の『Masque of the Red Death』キャンペーンに関する素材を手がけたことがきっかけとなり、『ダンジョン』誌へアドベンチャーを投稿するようになります。1996年、彼は自身のキャリアを見つめ直し、「牧師の仕事は人生を消耗させるが、D&Dの仕事は自由と活力の源になっている」と気づき、ゲーム業界への転身を決意しました。同年、TSR社での常勤職を求めてウィスコンシン州へ移住しますが、すぐに雇用されることはなく、フリーランス作家としてゲーム関連の執筆を続けました。ウェスト・エンド・ゲームズ社の『Hercules & Xena Roleplaying Game』などの作品を手がける傍ら、「本当に好きなのはD&Dだけだ」という思いを抱き続け、『ドラゴン』誌や『ダンジョン』誌への寄稿を続けました。
WotCでの活躍とD&D第4版
1998年にカリフォルニア州バークレーへ、2000年にはワシントン州シアトル・タコマ地域へ移住。そして2000年1月、ついにウィザーズ・オブ・ザ・コースト社にD&D担当の常勤社員として迎えられました。入社後、『フェイルーンのモンスター』をはじめ、『夢でささやく者』、『Defenders of the Faith』、『フォーゴトン・レルム・キャンペーン・ガイド』のモンスターの章などを担当。また、長らく「準備中」だった『Oriental Adventures』（2001年）を完成させました。その後も、『City of the Spider Queen』、『Magic of Incarnum』、『シャーン：塔の街』、『竜の書：ドラコノミコン』など、数多くのRPG製品を共同執筆。キース・ベイカーの『エベロン・キャンペーン・ガイド』（2004年）では、ビル・スラビセックと共に共同執筆者として参加しました。
2005年初頭、ロブ・ハインソーがD&D第4版の初期デザインチームを編成し、スラビセック、アンディ・コリンズ、ワイアットがメンバーに加わりました。ワイアットはリチャード・ベイカー率いるSCRAMJETチームの一員として、第4版の開発と並行してD&Dの設定と世界観の更新に携わりました。この時期には、『In the Claws of the Tiger』（2006年）、『Storm Dragon』（2007年)、『Dragon Forge』（2008年）、『Dragon War』（2009年）、『Oath of Vigilance』（2011年）といったD&D小説も執筆しています。
MTGとのコラボレーション
2014年、ワイアットはダンジョンズ&ドラゴンズの担当を離れ、『マジック: ザ・ギャザリング』（MTG）の執筆とクリエイティブ制作に携わるようになりました。コーヒー・テーブル・ブックの『Art of Magic: The Gathering』シリーズでは、各プレーンの物語をカードのイラストと共に紹介する文章を担当。さらに、MTGの世界をD&Dでプレイするための無料PDF『プレーンシフト』シリーズを執筆しました。このシリーズは、MTGのコーヒー・テーブル・ブックをキャンペーン設定ガイドとして活用するためのルールをまとめたもので、『アモンケット』、『ドミナリア』、『イニストラード』など、複数のプレーンを舞台にしたものが公開されました。
『プレーンシフト』シリーズの好評を受け、2018年にはD&DでMTGのラヴニカをプレイするためのハードカバー設定ガイド『Guildmasters' Guide to Ravnica』が出版。ワイアットはこの作品のデザイン責任者を務めました。その後も、MTGのテーロスをD&Dでプレイするためのクロスオーバー本『Mythic Odysseys of Theros』（2020年）で共同デザイン責任者を務め、『Van Richten's Guide to Ravenloft』（2021年）でも執筆陣に名を連ねています。
主な著作と受賞作品
ワイアットは、2003年に『City of the Spider Queen』で、2005年に『エベロン・キャンペーン・ガイド』（ビル・スラビセック、キース・ベイカーとの共著）でオリジンズ賞を受賞。その他、『Oriental Adventures』、『ドラコノミコン』、『Draconic Prophecies』シリーズ、『Magic of Incarnum』など、数多くの著作があります。
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