ジミー入枝

鹿児島県いちき串木野市出身のジミー入枝（本名：入枝伸也、1972年10月1日生まれ）は、ドゥーワップを音楽的基盤とする日本のミュージシャン、シンガーソングライター、そしてディスクジョッキーです。現在は鹿児島県を活動の拠点とし、南日本放送のタレントとしても多角的にその才能を発揮しています。また、出身地であるいちき串木野市の観光大使や串木野まぐろ大使、さらには曽於市PR大使も務めるなど、地元への貢献にも積極的に関わっています。

彼の音楽キャリアは、高校時代に同級生と共に結成したドゥーワップグループ「ジミー入枝とザ・キングタウンズ」に始まります。このグループ活動は現在に至るまで続いており、長きにわたりドゥーワップへの深い情熱を注いでいることが伺えます。音楽的な道を志す中で、彼は日本のドゥーワップ界の伝説的存在であるザ・キング・トーンズの内田正人氏に師事するという貴重な機会を得ました。この師弟関係は、その後の彼の音楽活動に大きな影響を与えることになります。1990年には「TEENS' MUSIC FESTIVAL」全国大会に出場するなど、学生時代からその実力は高く評価されていました。

大学卒業後の1995年、さらなる飛躍を目指して上京。ザ・キング・トーンズ専属バンドマスターである寺本修氏の下でバンドボーイとして業界の修行を積みました。この期間中に、東京・大井競馬場で行われた「トゥインクル・コンサート」にてプロとしての初舞台を踏み、本格的な音楽活動をスタートさせました。

1997年、修行期間を経て故郷の鹿児島県に戻り、同年秋に開局した「鹿児島シティFM」に参加するなど、地元での活動を再開します。その後、南日本放送（MBC）のラジオ番組に深く関わるようになり、1999年からはMBCラジオ「土曜はおまかせ「うねうねWEEKEND」」のジングルを担当するなど、ラジオパーソナリティ、DJとしての才能も開花させていきます。また、この頃には「こぶ茶バンド」の鹿児島公演時のインタビューをきっかけに、ウクレレを高木ブー氏に師事するなど、音楽の幅を広げる探求も続けていました。

2001年には、師である内田正人氏をスーパーバイザーに迎え、オリジナル曲「ワンダフル・デイ!」でCDデビューを果たします。これは彼のソロアーティストとしての重要な一歩となりました。さらに、2004年には内田正人氏の病気療養に伴い、「ザ・キングトーンズ featuring ジミー入枝」として、本家ザ・キング・トーンズのリードボーカルを長期間にわたり代演するという大役を務めました。この経験を通じて、ザ・キング・トーンズの音楽性を継承しつつ、自身の存在感を確立しました。2005年から2007年にかけては、ザ・キング・トーンズのサポートメンバーとして「フジロックフェスティバル」に3年連続で出演するなど、国内最大級の音楽フェスにもその歌声を響かせました。2012年にも「ARABAKI ROCK FEST.」に「ザ・キングトーンズ featuring ジミー入枝」として出演しています。

ザ・キング・トーンズとの活動と並行して、2007年にはザ・キング・トーンズのメンバーだった川島豊氏、石塚勇氏と共に「Jimmy And The Vivids」を結成し、新たなサウンドにも挑戦。ライオンのCMソングを担当したり、NHK-FMの番組に客演したりするなど、活動の幅を広げました。

ラジオの世界でもその存在感を示しており、担当するMBCラジオの番組「ジミー入枝のドゥーワップ・ステーション」は、2014年に【JRN全日本ラジオ新番組選手権】で3位に入賞するという評価を得ています。この番組は熊本放送でも放送されるなど、その人気は地元に留まりません。

近年は、著名なアーティストやメディアパーソナリティとの交流も活発です。鈴木雅之氏のNACK5の番組で楽曲が紹介されたり、藤井フミヤ氏や亀渕昭信氏のラジオ番組に電話出演したりしました。特に、作家の村上春樹氏のTOKYO FM/JFN番組「村上RADIO」で楽曲が紹介されたことは、彼の音楽がジャンルを超えて注目されていることを示すエピソードです。また、木梨憲武氏（とんねるず）との親交も深く、TBSラジオ「木梨の会。」へのスタジオ生出演や電話出演を重ね、共作で楽曲を制作するなど、メディアミックスでの活躍も見せています。

シンガーソングライターとしての楽曲制作も精力的に行っており、木梨憲武氏と共作した「ベビベビ」「ワンモア・モア・ステップ」「渋滞解消」や、所ジョージ氏と共作した「あの星みつめて～さよなら12／8～」などがあります。また、CMソング「ひなたのふとん菱友 19秒」や、木梨憲武氏がプロデュースに関わり、DA PUMPのKIMI U-YEAH氏が振付を担当した「みんなでカンパイ！」など、様々なジャンルの楽曲を生み出しています。

現在、彼はMBCラジオで「ジミー入枝のドゥーワップ・ステーション」をはじめ、「まぐろの館ただ今、朝礼中」「たんぽぽ倶楽部」「Music Express」などの番組に出演。また、MBCテレビの「てゲてゲ」ではナレーションを担当するなど、ラジオ、テレビ両方で活躍しています。FMさつませんだいでも自身の冠番組を持つなど、地域メディアを中心に確固たる地位を築いています。

ジミー入枝は、日本のドゥーワップシーンを牽引する存在であり、同時に地元鹿児島を愛し、その魅力を全国に発信するメディアパーソナリティでもあります。ドゥーワップという自身のルーツを大切にしながらも、様々なアーティストとの交流やメディアでの露出を通じて、その活動の場を広げ続けており、今後のさらなる活躍が期待されています。

もう一度検索