ジム・ウェザリー

ジェームズ・デクスター "ジム" ウェザリー

ジェームズ・デクスター "ジム" ウェザリー（James Dexter "Jim" Weatherly, 1943年3月17日 - 2021年2月3日）は、20世紀後半のアメリカ音楽界において、ソングライターそしてシンガーとして多大な貢献をした人物です。

経歴

ジム・ウェザリーのキャリアは、一般的な音楽家の道のりとはやや異なります。音楽を本格的に追求する以前、彼は優れた運動能力を発揮しており、ミシシッピ大学ではフットボールチームの一員として活躍していました。特に、彼はチームのクォーターバックという重要なポジションを担い、その才能を輝かせていました。

しかし、彼の情熱は次第に音楽へと向けられるようになります。フットボールのキャリアから転換した後、彼はソングライターとしての道を歩み始め、すぐにその才能を開花させました。彼のペンからは、カントリーからソウル、ポップに至るまで、幅広いジャンルのアーティストに愛される楽曲が次々と生まれました。彼の作品を歌ったアーティストの中には、レイ・プライス、リン・アンダーソン、ブレンダ・リー、ボブ・ルーマンといった著名な名前が連なります。

中でも、ウェザリーの楽曲は、グラディス・ナイト&ザ・ピップスとの間で特別な化学反応を生み出しました。この伝説的なソウルグループは、ウェザリーの手による数多くの名曲をレコーディングし、それらを世界的なヒットへと導きました。最もよく知られているのは、「夜汽車よ！ジョージアへ（Midnight Train to Georgia）」でしょう。この曲は、リリースされるや否や大成功を収め、グラディス・ナイト&ザ・ピップスの代表曲としてだけでなく、ウェザリーのソングライターとしての名声を決定づける一曲となりました。他にも、感情豊かなバラード「Neither One of Us (Wants to Be the First to Say Goodbye)」や、心温まる「You're the Best Thing That Ever Happened to Me」なども、グラディス・ナイト&ザ・ピップスによってヒットしたウェザリーの作品です。彼らに提供された楽曲はこれらだけにとどまらず、「Where Peaceful Waters Flow」、「Love Finds Its Own Way」、「Between Her Goodbye and My Hello」といった作品もまた、ウェザリーの才能を示すものです。

ソングライターとしての成功に加え、ウェザリー自身もまたアーティストとして活動を行いました。キャリアの初期には、ザ・ゴーディアン・ノットというグループに所属し、ヴァーヴ・レコードやRCAレコードから作品を発表しています。そして、グラディス・ナイト&ザ・ピップスによる「夜汽車よ！ジョージアへ」の大きな成功を機に、彼はブッダ・レコードと契約を結びます。1970年代に入ると、彼は自身の名前で多くのアルバムをリリースし、シンガーとしても精力的に活動しました。その温かく表現力豊かな歌声は、自身の書いた楽曲に深みを与えました。

長年にわたりアメリカの音楽シーンで活躍したジム・ウェザリーは、2021年2月3日、テネシー州ブレントウッドの自宅でその生涯を閉じました。彼の正確な死因については公表されていません。

フットボール選手という異色の経歴を持ちながら、ソングライター、そしてシンガーとしても成功を収めたジム・ウェザリーの功績は、アメリカン・ミュージックの歴史に確かな足跡を残しています。彼の生み出した楽曲は、時代を超えて多くの人々に聴き継がれています。

主な提供楽曲

夜汽車よ！ジョージアへ（Midnight Train to Georgia） - グラディス・ナイト&ザ・ピップス
Neither One of Us (Wants to Be the First to Say Goodbye) - グラディス・ナイト&ザ・ピップス
You're the Best Thing That Ever Happened to Me - グラディス・ナイト&ザ・ピップス
Where Peaceful Waters Flow - グラディス・ナイト&ザ・ピップス
Love Finds Its Own Way - グラディス・ナイト&ザ・ピップス
Between Her Goodbye and My Hello - グラディス・ナイト&ザ・ピップス

（上記は一部であり、実際にはより多くの楽曲を提供しています）

もう一度検索