ジム・カート

ジェイムズ・リー・カート（James Lee Kaat）は、1938年生まれ、アメリカ合衆国ミシガン州出身の元プロ野球選手です。ポジションは投手で、その卓越した才能と人柄から「Kitty」というニックネームで親しまれました。一部メディアでは「ジム・カット」と表記されることもあります。

カートは1957年にワシントン・セネターズと契約し、1959年にメジャーデビュー。ミネソタ・ツインズと改称後の1961年に先発ローテーションに定着し、才能を開花させました。1962年にはオールスターゲームに初選出され、同年から15年連続でゴールドグラブ賞を受賞。これは投手としての守備力を高く評価された証です。

1966年には25勝を挙げ、最多勝のタイトルを獲得。MVP投票でも5位に入る活躍を見せました。1974年には21勝、1975年には20勝を挙げるなど、長年にわたりチームのエースとして活躍しました。

カートは、フィラデルフィア・フィリーズ、シカゴ・ホワイトソックス、ニューヨーク・ヤンキース、セントルイス・カージナルスなど、数々の球団を渡り歩き、リリーフとしても活躍。1982年にはカージナルスでワールドシリーズ制覇を経験し、自身唯一のチャンピオンリングを手に入れました。

25シーズンのキャリアは、投手として歴代3位の長さ。1950年代から1980年代までの「4ディケード」でプレイした数少ない選手の一人であり、引退時には1950年代にプレイした最後の選手となっていました。また、ツインズの前身であるセネターズでプレイした最後の選手でもありました。

投手としての能力もさることながら、カートは打撃にも優れており、通算で打率.185、16本塁打を記録しています。1964年には3本塁打を放つなど、打者としてもチームに貢献しました。

引退後は、シンシナティ・レッズの投手コーチや野球解説者として活躍。解説者としては、ドワイト・グッデンのノーヒットノーランやデビッド・ウェルズの完全試合達成の瞬間を目撃するという幸運にも恵まれました。2018年からは、古巣ツインズの特別アドバイザー兼オーナー補佐に就任しています。

長年の功績が認められ、2021年にはベテランズ委員会の選出により、アメリカ野球殿堂入りを果たしました。殿堂入りを記念し、ツインズはカートの在籍時の背番号『36』を永久欠番に指定。2022年7月16日には、本拠地ターゲット・フィールドで永久欠番表彰式が執り行われました。

カートの投球スタイルは、スライダー、カーブ、スラーブを駆使したものでした。卓越したコントロールと緩急をつけた投球術で、多くの打者を打ち取ってきました。

タイトル
最多勝利：1回（1966年）

表彰
ゴールドグラブ賞（投手部門）：16回（1962年 - 1977年）※連続16回受賞は史上最多タイ記録

記録
MLBオールスターゲーム選出：3回（1962年、1966年、1975年）

背番号
21（1959年 - 1960年途中）
36（1960年途中 - 1975年、1979年途中 - 1983年）※ミネソタ・ツインズの永久欠番
39（1976年 - 1979年途中）
* 47（1979年途中 - 同年途中）

ジェイムズ・リー・カートは、その長いキャリアの中で数々の記録を打ち立て、野球界に多大な貢献をしました。彼の功績は、これからも多くの人々に語り継がれていくことでしょう。

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