ジム・バニング

ジェームズ・ポール・デヴィッド「ジム」バニングの生涯と業績

ジェームズ・ポール・デヴィッド、通称ジム・バニングは、1931年10月23日にケンタッキー州サウスゲートで生まれた。彼はアメリカ合衆国のプロ野球選手、投手として名を馳せた後、政治家としても活躍した。バニングは共和党に所属し、連邦下院および上院の議員として重要な役割を果たした。

生い立ちと家族

バニングは、ルイス・アロシウスとグラディス・バニングの間に生まれ育った。シンシナティのセント・ザビエル高校を1949年に卒業した後、ザビエル大学に進学し、経済学の学位を得る。1952年にはメアリー・キャサリン・サイスと結婚し、2つの子供を含む9人の子供をもうけた。息子のデヴィッド・L・バニングは、ケンタッキー州の連邦判事として活躍している。

メジャーリーグ時代

バニングの野球キャリアは1950年にデトロイト・タイガースと契約し、始まった。1955年7月20日にメジャーデビューを果たし、その後フィラデルフィア・フィリーズ、ピッツバーグ・パイレーツ、ロサンゼルス・ドジャースなどで活躍する。特にフィリーズでは1964年から1967年までプレーし、1970年に復帰した。

彼の野球人生の中で、特に注目すべき記録を多数残している。1957年には20勝を挙げて最多勝利のタイトルを獲得し、1958年にはボストン・レッドソックス戦でノーヒットノーランを達成。また、1964年にはニューヨーク・メッツ戦で完全試合を実現した。これにより、バニングは両リーグでノーヒットノーランを達成した数少ない投手の1人となった。

さらに、彼は1959年8月2日の試合でメジャーリーグ史上10人目の3者連続3球三振を記録し、両リーグで1000奪三振を達成した初の投手でもある。バニングは、スライダー、カーブ、チェンジアップを使い分け、自身のスタイルを築き上げた。1996年にはベテランズ委員会によって野球殿堂入りを果たし、彼の偉業を記念したプレートにはフィリーズの帽子が刻まれている。

政治家としてのリーダーシップ

バニングは1977年からケンタッキー州フォート・トマス市の市議会議員として活動し、1987年から1999年まで下院議員として奉仕した。その後、1998年には上院議員選挙に出馬し、当選を果たした。保守的な姿勢で知られる彼は、2004年には再選されたが、その政治姿勢から批判を受けることもあった。2006年にはタイム誌から「アメリカの上院議員ワースト5」に選ばれるなど、賛否が分かれる議員であった。

経済危機の際にはビッグスリー救済法案に反対票を投じ、この決定が波紋を呼んだ。2010年に引退を決意し、2011年にランド・ポールに議席を譲った。

晩年と死去

その後は隠居生活を送っていたバニングだが、2016年に脳梗塞を発症。2017年5月27日、彼は85歳でこの世を去った。彼の生涯は、野球と政治の両方での偉業を示すもので、多くの人々に影響を与えた。

バニングの功績は、今なお多くのファンや市民に記憶され続けている。

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