ジム・ヘンダーソン (野球)

ジェームズ・D・ヘンダーソン：カナダが生んだ豪腕リリーバーの軌跡

ジェームズ・D・ヘンダーソンは、1982年10月21日、カナダのアルバータ州カルガリーに生まれました。右投げ左打ちの投手として、2003年のMLBドラフトでモントリオール・エクスポズから指名され、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせました。

マイナーリーグでの奮闘とメジャーへの道

ドラフト指名後、ヘンダーソンはマイナーリーグで経験を積み重ねました。2006年にはルール・ファイブ・ドラフトによってシカゴ・カブスに移籍。しかし、2008年には肩の故障によりカブスを解雇されるという苦境に立たされました。

その後、2009年にミルウォーキー・ブルワーズとマイナー契約を結び、再びメジャーリーグを目指して努力を続けました。2011年にはIBAFワールドカップとパンアメリカン競技大会のカナダ代表に選出され、国際舞台でもその才能を披露しています。

そして、2012年7月26日、29歳にして念願のメジャーデビューを果たします。ワシントン・ナショナルズ戦で2番手として登板したヘンダーソンは、長身から繰り出す速球と切れ味鋭いスライダーを武器に、持ち前の才能を発揮。新人ながら勝ちパターンの一角を担い、イニング数を大きく上回る三振を奪う活躍を見せました。

ブルワーズでの活躍と度重なる故障

2013年にはワールド・ベースボール・クラシック（WBC）カナダ代表にも選出され、国際舞台でも活躍。レギュラーシーズンでは61試合に登板し、5勝5敗28セーブ、防御率2.70という素晴らしい成績を残しました。しかし、この頃から度重なる故障に悩まされることとなります。

2014年には右肩痛、2015年には右ハムストリングの張りに苦しみ、出場機会を大きく制限されました。2015年シーズン終了後にはフリーエージェントとなり、ブルワーズを離れることとなりました。

メッツ時代とその後

2015年12月、ヘンダーソンはニューヨーク・メッツとマイナー契約を結びました。2016年にはメジャー契約を勝ち取り、開幕ロースター入りを果たします。この年も44試合に登板し、一定の成績を残しましたが、シーズン終了後に再び40人枠から外れ、フリーエージェントとなりました。

その後もカブス、ブルワーズとマイナー契約を結びながらメジャー復帰を目指しましたが、故障の影響もあり、思うように活躍することはできませんでした。2017年のWBCにもカナダ代表として2大会連続出場を果たしたものの、2018年シーズンは故障により公式戦登板はありませんでした。

コーチとしてのキャリア

現役生活にピリオドを打ったヘンダーソンですが、2018年からブルワーズ傘下でコーチとしてのキャリアをスタートさせました。ルーキーリーグ、A級、そしてAAA級と、着実に経験を積み重ね、2022年には念願のブルワーズのブルペンコーチに就任しました。

まとめ

ジェームズ・D・ヘンダーソンは、メジャーリーガーとしての華々しい活躍だけでなく、カナダ代表としての経験、そして指導者としてのキャリアも持つ、多彩な人物です。度重なる故障に苦しみながらも、メジャーリーグという舞台で戦い抜いた彼の経験は、多くの選手にとって貴重な財産となるでしょう。ブルペンコーチとして培ってきた経験を活かし、今後さらに多くの才能を育成していくことが期待されます。

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