ジャック・バルバロッサ・バンコラン

ジャック・バルバロッサ・バンコランは、魔夜峰央の漫画『パタリロ!』に登場する人気キャラクターです。普段はミドルネームを嫌いジャック・バンコランと名乗っています。本記事では、彼の生い立ち、MI6のエージェントとしての活躍、パタリロとの関係、そして「美少年キラー」としての側面を詳しく解説します。

人物像

バンコランは、軍人の家系に生まれましたが、その家系は代々同性愛者という特殊なものでした。彼はMI6（イギリス情報局秘密情報部）に所属する凄腕のエージェントで、階級は少佐。殺人許可証を持つ「ダブルオー」要員でもあります。

常に冷静沈着で自信家ですが、麻薬が絡んだ事件には感情的になる一面も。ヘビースモーカーでワインとステーキを好む偏食家ですが、非常にタフな体を持っています。

来歴

幼少期は明るい少年でしたが、愛犬の死と父親の死因への疑惑から笑顔を失います。母親の借金のカタとして売られた過去を持ち、それが女性不信の原因となりました。軍のカール・グローブナー将軍に拾われたことがきっかけで諜報部員の道へ進みます。

MI6の先輩であり恋人でもあったデミアン・ナイトの事件をきっかけに、麻薬に対して激しい憎悪を抱くようになります。その後、「眼力」という特殊能力に目覚め、美少年を篭絡するテクニックを身につけましたが、諜報員としての腕も一流です。

『パタリロ!』第一話でパタリロの身辺警護を命じられたことから、彼の運命は大きく変わります。マライヒという生涯の伴侶を得ますが、浮気癖が絶えず、マライヒを悩ませています。息子フィガロが生まれてからは、親バカぶりを発揮する一面も。

パタリロとの因縁

パタリロとは、彼が王子時代に警備を担当して以来の腐れ縁です。バンコランはパタリロのことを嫌っていますが、その能力は認めており、事件の際には協力することも多いです。しかし、パタリロにからかわれることへの恨みは深く、憂さ晴らしのためにマリネラを訪れることもあります。

パタリロの行動パターンをよく理解しており、彼の弱みを握って利用することも。一方で、パタリロもバンコランの美少年好きや任務への忠実さなどを理解しています。

プラズマXなど、パタリロの発明品を否定的に見ることが多いですが、ロボットの人格を尊重する一面も。バンコランとパタリロの因縁は先祖や子孫にも存在しており、過去にはマリネラを属国化しようとしたり、未来では世界統一政府を乗っ取ろうとしたりしています。

性格と容姿

長い黒髪とアイシャドウが特徴的な美青年。指紋の形を恥じて、常に皮手袋を着用しています。性格は沈着冷静で自信家。麻薬犯罪者に対しては容赦しません。

美少年達への扱いは冷たいように見えますが、情に厚い一面も持ち合わせています。徹底的な現実主義者で、オカルトの類は一切信じません。金銭に執着せず、享楽主義的な面もありますが、息子フィガロの誕生によって変化が見られます。

美少年殺し

「美少年キラー」の異名を持つプレイボーイで、多くの美少年と関係を持っています。性的興味の対象年齢は16歳から19歳に限定されますが、美男子であれば子供やエスパーも対象とします。

バンコランはマライヒを唯一の伴侶と認めていますが、美少年絡みではマライヒをそっちのけで美少年の心を奪っていきます。そのため、マライヒからの仕置きを受けることが絶えません。パタリロでさえ、バンコランの浮気癖には辟易しています。

女性には一切興味を示さず、強い嫌悪感を抱いているような描写もあります。しかし、パタリロの母エトランジュに対しては特別な感情を抱いているようです。

能力

あらゆる武器・格闘技のエキスパートであり、実戦経験も豊富です。愛用の銃はワルサーPPK。普段から微量の毒薬を服用し、薬物への抵抗力を持っています。推理能力はパタリロやマライヒに及ばないものの、実戦での状況判断能力は優れています。

パタリロと付き合っているうちにネコ語を解するようになりました。

眼力

視線を向けた者を惹き付ける「眼力」という特殊能力を持っています。特に10代後半から20代前半の男性に強く作用し、年齢や性別を問わず通用することもあります。眼力をシャットアウトするコンタクトレンズも存在します。

眼力は相手を魅了するだけでなく、威圧感を与えて戦意を喪失させることもあります。バンコラン自身は眼力を単なる色目程度にしか思っていませんが、その力は計り知れません。

バンコラン菌

バンコランと関わった男性の中には、彼の影響を受けて同性愛者になってしまう者がいます。これは「バンコラン菌」と呼ばれる特殊な菌によるもので、美青年にしか感染しないという指向性を持っています。パタリロはこの指向性を利用して兵器転用するアイデアを考えたこともあります。

外伝でのバンコラン

パタリロ！の時代劇版や源氏物語、西遊記などの外伝にも登場しています。時代劇版では奉行、源氏物語では光源氏、西遊記では盤古羅漢として活躍しています。

モデル

バンコランの名前のモデルは、ジョン・ディクスン・カーの推理小説に登場する探偵アンリ・バンコランです。キャラクターの原型は、作者が発表した読切短編『ヴァンコラン』に登場した同名の英連邦警察特別捜査官です。

バンコランを演じた人物

曽我部和恭、子安武人、青木玄徳、宇野結也などがバンコランを演じています。

バンコランは、『パタリロ！』の世界において、欠かせない魅力的なキャラクターの一人です。

もう一度検索