ジャパン・スーパースポーツ・セダンレース

ジャパン・スーパースポーツ・セダンレース（JSS）

概要

ジャパン・スーパースポーツ・セダンレース（JSS）は1984年に開始され、1996年まで続いた日本の自動車レースです。このレースは、1979年から日本国内で開催されていたグループ5規定に基づく「スーパーシルエットレース」を引き継ぐ形で行われました。国際自動車連盟（FIA）が1982年に車両規定を変更したことがきっかけで、新たなレースカテゴリーとして誕生しました。

当初、JSSは富士スピードウェイで行われていた富士グランチャンピオンレース（GC）のサポートレースとして位置付けられたため、主にこのサーキットでの開催に限られていました。そのため、他のサーキットでの開催はほとんどなく、実質的には富士スピードウェイだけが舞台となっていました。ただし、JSSはグループ5を思わせる派手なボディデザインがファンを惹きつけ、人気を誇るカテゴリーとして成長しました。

競技規定

JSSの車両規定は、グループA同様に市販車を基にしていますが、グループAに比べて大幅に改造の範囲が広がっています。車両には大きなオーバーフェンダーやウィングといったエアロパーツが装着され、さらにエンジンについてもフルチューンが許可されていました。最大排気量は、DOHCエンジンが3,500cc、SOHCが4,000cc、ロータリーエンジンがレシプロ換算で3,000ccまで許可されており、特に12A型のペリフェラルポート仕様に関しても特例が認められていました。

日産のスカイラインやマツダのサバンナ・RX-7などの人気車両のほか、トヨタ・ソアラなど、レースとは一見結びつかない車両もエントリーしており、多様性のある参加車両が話題を呼んでいました。また、型遅れとなったグループA車両がJSS規定に沿って改造されたり、R31型スカイラインGTS-RやFC3S型RX-7の対決は、過去の名対決を彷彿とさせるものでした。これによりファンの間での興奮も一層高まりました。

JSSの変遷

1993年になると、全日本ツーリングカー選手権（JTC）が終了し、翌年から4ドアセダンを用いたニューツーリングカーによる全日本ツーリングカー選手権（JTCC）が始まります。それに伴い、グループA車両（特にR32型GT-R）の再活用が求められ、全日本GT選手権（JGTC）にJSSが統合される流れとなりました。最初の1993年にはJGTCとの同時開催が行われ、1994年からはJGTCが本格的にスタートし、自然な流れの中でJSSは段階的に消滅を迎えました。

特にJGTCの初期において、GT2（後のGT300）クラスにエントリーしていた多くの車両がJSSにルーツを持つものであるため、JSSの影響はその後のレースシーンにも色濃く残りました。さらに、土屋圭市や近藤真彦、山路慎一といった多くの有名ドライバーもこのカテゴリーで活躍しており、彼らは後の全日本GT選手権でも目覚ましい成果を上げています。

主な参戦車両

• - 日産・スカイライン（DR30、HR31）
• - マツダ・サバンナRX-7（SA22C、FC3S）
• - トヨタ・ソアラ（MZ11）
• - 日産・シルビア（S12）

JSSは、国内外の自動車レースにおける重要な一章を築いたといえるでしょう。

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