ジャマール・ティンズリー

ジャマール・ティンズリー（Jamaal Lee Tinsley、1978年2月28日 - ）は、アメリカ合衆国ニューヨーク州ブルックリン区出身の元プロバスケットボール選手です。ポジションはポイントガードで、身長191cm、体重84kg。

生い立ちと大学時代

ティンズリーは、ストリートボールの聖地として知られるニューヨークのラッカーパークで、「The Abuser」という異名を持つほどの選手でした。少年時代は荒れた生活を送っていましたが、高校中退後にGEDに合格し、マウント・サン・ハシント大学(MSJC)に進学します。

MSJCでの2年目、1998-99シーズンには22得点9.8アシスト4.5スティールという素晴らしい成績を残し、フットヒル・カンファレンスのMVPに選ばれました。チームも32勝6敗という好成績を収めています。その後、1999-2000シーズンからはアイオワ州立大学でプレイし、1年目にはチームをNCAAトーナメントのエリート8に導きました。このシーズンに記録した通算244アシストは、ジェフ・ホーナセックの記録を破る大学の新記録となりました。翌00-01シーズンには、AP通信選出のオールアメリカンセカンドチームに選出されています。

NBAでのキャリア

2001年のNBAドラフトで、ティンズリーはメンフィス・グリズリーズから1巡目27位で指名を受けますが、直後にインディアナ・ペイサーズにトレードされます。ペイサーズでは1年目から先発に抜擢され、その期待に応える活躍を見せました。NBAデビューから1ヶ月も経たない11月22日のワシントン・ウィザーズ戦では、19得点11リバウンド23アシストという、早くもトリプル・ダブルを達成しました。この試合での23アシストは、ティンズリーのキャリアハイとなっています。ルーキーイヤーとなった01-02シーズンは、9.4得点8.1アシストの成績でオールルーキーセカンドチームに選ばれました。

ルーキーシーズンで素晴らしい才能を見せたティンズリーでしたが、その後は伸び悩むシーズンが続きます。03-04シーズンには開幕から先発を外れ、故障も抱えるようになり、30試合を欠場しました。シーズン後半には先発に復帰し、翌04-05シーズンには15.4得点6.4アシストと好成績を残しましたが、怪我に悩まされ、04-05シーズンと翌05-06シーズンはシーズンの半分近くを欠場しています。06-07シーズンには怪我から復調し、72試合に出場しましたが、私生活でのトラブルが重なり、問題行動がチームからの出場停止処分につながることもありました。

07-08シーズンは、12月に銃撃を受けるというトラブルに見舞われましたが、ベテランとしての役割を果たすようになり、2004年の乱闘事件以降低迷していたチームを支えました。しかし、度重なる故障やトレード希望の発言が原因で、チームの方針により08-09シーズンは1試合も出場することなくシーズンを終え、シーズン終了後にペイサーズから解雇されました。その後、11月14日にメンフィス・グリズリーズと契約します。

2011年にはユタ・ジャズに加入し、2013年までプレーした後、引退しました。

ティンズリーは、その才能とポテンシャルを持ちながらも、怪我や私生活でのトラブルに悩まされ、期待されたほどの活躍をNBAで実現することはできませんでした。しかし、ルーキーイヤーに見せた輝きや、ペイサーズを支えた時期もあり、記憶に残る選手の一人です。

もう一度検索