トリプル・ダブル

トリプルダブル：バスケットボールにおける驚異的な偉業

バスケットボールにおいて、トリプルダブルは選手にとって極めて高い到達目標であり、その達成は並外れた才能と努力の証です。この記録は、1試合で得点、リバウンド、アシストの3部門で2桁（10以上）の数字を記録することで達成されます。ただし、守備に秀でた選手の場合、アシストの代わりにスティールまたはブロックショットが該当部門となることもあります。

トリプルダブル達成の難しさ

トリプルダブルの達成は、非常に稀な出来事です。特にNBAのようなハイレベルなリーグでは、試合時間が48分と長いため、比較的達成例が多いものの、他のリーグや国際試合では40分と短いため、その確率はさらに低くなります。これは、単に得点やリバウンド、アシストを稼ぐだけでなく、これらの部門で高い数字を同時に達成しなければならないという高いハードルがあるためです。選手の総合的な能力、チーム戦略、そして試合展開が複雑に絡み合い、トリプルダブル達成の可能性を左右します。

歴史的な記録保持者たち

NBAの歴史において、シーズン平均でトリプルダブルを達成した選手は、極めて限られています。オスカー・ロバートソンとラッセル・ウェストブルックのみが、この偉業を成し遂げました。特にロバートソンは、1961-62シーズンに驚異的な平均30.8得点、12.5リバウンド、11.4アシストを記録しました。これは、当時のバスケットボール界において、ルールや戦術、選手の技術レベルが現在とは大きく異なっていたことを考えると、なおさら驚くべき記録です。例えば、1960年代の1試合あたりの平均リバウンド数は、現代よりもはるかに多く、それだけ記録達成が容易であった面もあります。

ウェストブルックは、ロバートソン以来、初めてシーズン平均トリプルダブルを達成した選手であり、なんと4回も達成するという偉業を成し遂げています。これは、彼の並外れた才能と献身的な努力の証です。

さらに、3部門で全て20以上という驚異的な「ダブル・トリプル・ダブル」を達成したのは、ウィルト・チェンバレンとウェストブルックのみです。この記録は、トリプルダブルの中でも特に稀少で、まさに伝説的な記録と言えるでしょう。

トリプルダブルという用語の起源

「トリプルダブル」という用語の起源については、諸説あります。ロサンゼルス・レイカーズの広報責任者だったブルース・ジョレシュが、マジック・ジョンソンの活躍を表現するために使い始めたという説や、フィラデルフィア・セブンティシクサーズの広報責任者だったハーヴィー・ポラックがジョンソンを見て考案したという説があります。いずれにしても、この用語が広く定着し、バスケットボール界に不可欠な言葉となったことは間違いありません。

トリプルダブルの未来

バスケットボールのルールや戦術、選手の技術レベルは、時代とともに進化を続けています。そのため、今後、ロバートソンやウェストブルックに続く選手が現れるかどうかは、不確定です。しかし、新たな才能の台頭とバスケットボール界の進化は、常に新しい記録に挑戦する可能性を秘めています。トリプルダブルという偉業は、これからも多くの選手たちの挑戦目標であり続けるでしょう。

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