ジャンダルム (競走馬)

ジャンダルム：母子制覇を成し遂げたスプリンター

ジャンダルム（Gendarme）は、2015年4月25日にアメリカ合衆国で生まれた競走馬です。2022年のスプリンターズステークス（GI）を制覇するなど、国内外で活躍しました。ここでは、ジャンダルムの競走成績、血統、エピソードを詳しく紹介します。

誕生からデビューまで

母は、2002年のスプリンターズステークスを制したビリーヴ。ビリーヴは繁殖牝馬としてアメリカで繋養され、2014年に北米のトップサイアーであるキトゥンズジョイと交配されました。そして2015年4月25日、アメリカでジャンダルムが誕生しました。

良血馬として期待されたジャンダルムは、1歳時に日本へ渡り、大山ヒルズで育成されました。牧場スタッフからの評価も高く、ノースヒルズの齋藤慎ゼネラルマネージャーは「ポテンシャル的には2頭以上に楽しみ」と語っていました。

馬名の「ジャンダルム」は、スイス・アルプス山脈にあるアイガーの絶壁の通称に由来します。栗東の池江泰寿厩舎に入厩し、競走馬としてのキャリアをスタートさせました。

競走成績

2017年9月、阪神競馬場の芝1600mの新馬戦でデビュー。武豊騎手を背に2番人気に支持され、見事1着。初出走初勝利を飾りました。

続くデイリー杯2歳ステークス（GII）では、アンドレア・アッゼニ騎手を迎え、5番人気ながらも優勝。無敗で重賞初制覇となりました。暮れのホープフルステークス（GI）では、武豊騎手が復帰し4番人気で出走。タイムフライヤーに敗れたものの2着と健闘しました。

3歳時は、皐月賞（GI）9着、東京優駿（日本ダービー）（GI）17着とクラシックレースでは結果を残せませんでした。その後は、マイル路線に専念しましたが、目立った成績は残せませんでした。

4歳から6歳にかけては、条件戦や重賞で勝利を重ねました。2020年の信越ステークスでは、荻野極騎手を背に1400m戦で勝利。2021年の春雷ステークスでは、初の1200m戦で快勝しました。

7歳となった2022年、オーシャンステークス（GIII）を制覇。4年4ヶ月ぶりの重賞制覇を飾りました。そして、10月2日のスプリンターズステークス（GI）に出走。荻野極騎手の好騎乗もあり、見事優勝。母ビリーヴに続く母子制覇を達成しました。

その後、香港スプリントに出走し12着となり、同年12月19日付で競走馬登録を抹消、引退しました。

種牡馬として

引退後は、アロースタッドで種牡馬として繋養されました。初年度種付け料は100万円に設定され、2026年には初産駒がデビューする予定でした。しかし、供用3シーズン目を目前とした2025年2月24日、左トモ脚の大腿骨骨折を発症し予後不良と診断され、安楽死措置が取られました。

血統

まとめ

ジャンダルムは、母ビリーヴも制したスプリンターズステークスを制覇し、母子制覇を達成した競走馬です。GI勝利は1勝でしたが、国内外のレースで活躍し、多くのファンを魅了しました。種牡馬としては短い期間で終わってしまいましたが、その血は後世に受け継がれていくことでしょう。

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