ジャンパ連結器

ジャンパ連結器（ジャンパカプラ）とは

ジャンパ連結器は、鉄道車両において制御回路や冷房などの電源回路を接続・連結するために用いられる装置です。ジャンパカプラ、または単にジャンパとも呼ばれます。これは、動力分散方式の電車や気動車において、複数の車両を連結して長大な編成を組む際に、車両間の制御信号や電力を伝達するために不可欠な役割を果たします。

構成要素

ジャンパ連結器は、主に以下の要素で構成されています。

ジャンパ線（ジャンパケーブル）: 太いケーブル状で、必要な芯数のケーブルを束ねたものです。通常、長さは約1m程度で、両端にはコネクタが取り付けられています。これらのコネクタは、車体側のジャンパ栓に接続するためのものです。
ジャンパ栓（ジャンパソケット）: 車体側に取り付けられたコネクタで、ジャンパ線のコネクタが差し込まれる部分です。
ジャンパ線受:　ジャンパ線を使用しないときに、ジャンパ線を取り付けておくためのものです。

一般的に、ジャンパ線のコネクタはメス型、ジャンパ栓はオス型となっています。

ジャンパ連結器の役割

ジャンパ連結器の主な役割は、以下の通りです。

制御信号の伝達: 運転士の操作や各種センサーからの情報を、編成内のすべての車両に伝達します。これにより、各車両のモーターやブレーキなどを連携して制御することが可能になります。
電源の供給: 冷房装置や照明などの電装品に電力を供給します。長大編成の場合、各車両にバッテリーを搭載するよりも、一箇所から電力を供給する方が効率的です。

ジャンパ連結器の進化

設計年次の古い車両では、制御用のジャンパ線は芯数が少なく、複数本を使用する必要がありました。しかし、1990年代以降は、多芯化されたジャンパ線1本で接続する傾向が強まっています。これにより、接続作業の簡略化や信頼性の向上が図られています。

連結器との関係

連結器は、鉄道車両同士を機械的に連結する装置です。一方、ジャンパ連結器は、車両間の制御信号や電源を電気的に接続する装置です。近年では、密着連結器や電気連結器の普及により、ブレーキ管などの空気ホースやジャンパ栓が連結器に一体化されるケースが増えています。これにより、連結・解放作業がより迅速かつ容易になっています。

総括制御

ジャンパ連結器によって車両間の制御信号が伝達されることで、動力分散方式の電車や気動車では、10両を超えるような長大編成でも一人の運転士による総括制御が可能になります。これは、鉄道輸送の効率化に大きく貢献しています。

関連項目

制御車
連結器
電気連結器
自動解結装置
特高圧引通線

ジャンパ連結器は、鉄道車両の安全かつ効率的な運行を支える重要なシステムの一部です。

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