ジャン=エリック・ベルニュ:カートからフォーミュラEチャンピオンへの軌跡
ジャン=エリック・ベルニュは、
1990年4月25日生まれの
フランス人レーシングドライバーです。10歳でレースを始め、2001年からカート競技に参戦。才能を早くから開花させ、数々のタイトルを獲得し、F1ドライバーを経て、
フォーミュラEではチャンピオンにまで上り詰めるなど、華々しい
モータースポーツ人生を送っています。
カート時代:才能の芽生え
ベルニュの
モータースポーツキャリアは、カートから始まりました。2001年の
フランスの地区大会でチャンピオンを獲得すると、翌年も準優勝と高いレベルで活躍。2004年には
ロータックス・マックス125ccジュニアカテゴリで準優勝、2005年にはカートヨーロッパ選手権ICAクラスで準優勝を果たすなど、着実にステップアップしていきました。2006年にはカート最高峰のKF1世界選手権に参戦し、ランキング7位という結果を残しました。
フォーミュラへの挑戦:レッドブルの支援とF1への道
2007年、ベルニュは
フォーミュラ・ルノー・キャンパスに参戦。10戦中6勝という圧倒的な強さでチャンピオンを獲得します。この活躍が認められ、
レッドブル・ジュニアチームに加入。さらに
フランス自動車競技連盟にも所属することとなりました。2008年には
フォーミュラ・ルノー2.0で
フランス選手権とウェストヨーロッパカップで好成績を収め、2009年にはヨーロッパ選手権で9勝を挙げながら惜しくもランキング2位という結果に終わりました。2010年にはイギリスF3に参戦し、11回の
ポールポジションと11勝でチャンピオンを獲得。さらに
フォーミュラ・ルノー3.5にも参戦し、優勝も経験します。これらの活躍は
レッドブルのF1マシンシミュレーターでの走行やトロ・ロッソのテストドライバーとしての参加へとつながりました。
2011年には
フォーミュラ・ルノー3.5にフル参戦しランキング2位を獲得。シーズン終了後には、トロ・ロッソのテストドライバーに就任。韓国、アブダビ、ブラジルGPのフリー走行1回目に参加し、レギュラードライバーと遜色ないタイムを記録しました。さらに、アブダビのヤングドライバーテストでは
レッドブルRB7をドライブし、3日間全てで
ファステストラップを記録するなど、その実力を世界に示しました。そして、2012年、ついにF1トロ・ロッソからレギュラードライバーとして参戦することになります。
F1での挑戦:トロ・ロッソ時代
2012年から2014年までトロ・ロッソでF1に参戦したベルニュでしたが、マシンの競争力不足もあり、思うような結果を残すことができませんでした。2012年は初ポイント獲得など明るい面もあったものの、予選での苦戦が目立ち、ペナルティを受ける場面もありました。2013年もトロ・ロッソに留まり、チーム最高位6位を獲得するなど健闘を見せますが、その後は入賞を果たすことができませんでした。2014年シーズンは、
レッドブルへの昇格が決まったリカルドの後任として
ダニール・クビアトが加入。ベルニュは入賞7回とクビアトを上回る活躍を見せましたが、翌シーズンはレギュラーシートを失い、トロ・ロッソを離れることになりました。その後はフェラーリのテストドライバーを務めました。
フォーミュラEへの転身:そしてチャンピオンへ
2014年、ベルニュは
フォーミュラEに参戦。アンドレッティ、
ヴァージン・レーシング、テチーターとチームを渡り歩き、幾多の困難を乗り越え、2017-18シーズン、ついにチャンピオンの座に就きました。デビュー戦からその速さを示し、
ポールポジションを獲得するなど、高いポテンシャルを秘めていたベルニュですが、
フォーミュラE特有のエネルギーマネジメントに苦戦することもありました。それでも持ち前の高いスキルと粘り強さで、表彰台に何度も立つなど、常に上位争いを繰り広げました。そして迎えた2017-18シーズン、圧倒的な強さでチャンピオンを獲得。全戦完走・全戦入賞という偉業を達成しました。
まとめ
カートから始まり、フォーミュラレース、F1、そして
フォーミュラEと、様々なカテゴリーで活躍したベルニュ。その類まれな才能と、常に挑戦を続ける姿勢が、彼の成功を支えたと言えるでしょう。2022年には結婚を発表するなど、
モータースポーツ界以外でも充実した日々を送っているようです。彼の今後の活躍にも期待したいところです。